障害者雇用は何歳まで可能?現状と長く働くためのポイントを解説

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障害者雇用は何歳まで働けるのか、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。年齢が上がると不利になるのか、定年後も働けるのかなど、将来を考えるほど気になるテーマです。しかし、制度の仕組みや実際の雇用状況は、あまり知られていないのが実情です。今回は、障害者雇用と年齢の関係、実態や長く働くためのポイントについて解説します。

障害者雇用は何歳まで働くことが可能?

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ここでは障害者雇用は何歳まで働けるのか、制度上の考え方と現実的な就職事情について解説します。

障害者雇用には年齢制限はない

障害者雇用には、法律で定められた一律の年齢制限はありません。

障害者雇用促進法(正式法令名:障害者の雇用の促進等に関する法律)により、企業には一定割合以上の障害のある方を雇用する義務があります。法律では「何歳まで」という上限は設けられておらず、若年層だけでなく中高年の方も対象です。

そのため、50代や60代であっても、条件が合えば障害者雇用枠で働くことは可能です。実際に、定年後の再雇用や契約社員として働き続けるケースもあります。

ただし、法律上の年齢の上限がないとはいえ、すべての企業が年齢をまったく考慮しないわけではありません。企業ごとに採用方針や求める人物像、職種の特性が異なるため、それぞれの基準に沿って選考が行われます。

例えば、長期的な育成を前提とする職種では若年層が有利になる場合があります。一方で、専門スキルや経験が求められる職種では、年齢よりも実績や能力が重視されることもあります。

つまり、制度上は年齢制限はないものの、実際の採用では企業ごとの判断が影響するという点を理解しておくことが大切です。

年齢が上がると一般雇用と同じく就職が難しい

現実としては、障害者雇用であっても年齢が上がるにつれて就職の難易度は高まる傾向があります。

これは一般雇用と同様で、年齢そのものが不利になるというよりも、企業側が懸念するポイントが増えるためです。

ひとつは健康面への不安です。特に中高年の場合、障害特性に加えて体力面や持病などを心配されることがあります。安定して勤務できるかどうかは、企業にとって重要な判断材料です。

また、思考の柔軟性や新しい環境への適応力も見られやすいポイントです。業務のデジタル化や職場環境の変化にどれだけ対応できるかは、年齢を問わず重視されますが、年齢が高いほど慎重に判断される傾向があります。

さらに、専門性や即戦力としてのスキルも重要です。年齢が上がるほど「これまで何をしてきたのか」「どんな強みがあるのか」がより具体的に求められます。経験や実績が明確であれば、年齢をカバーできる可能性は十分にあります。

そのため、年齢を過度に気にするよりも、自身の体調管理やスキルの棚卸し、働き方の希望条件を整理することが重要です。自分に合った職場を見極め、企業にとってのメリットを具体的に伝えることが、年齢に左右されにくい就職活動につながります。

障害者の年齢別雇用状況

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障害者雇用の実態を年齢別に見ると、障害の種類によって傾向が大きく異なります。

厚生労働省(令和5年6月1日時点)の調査によると、身体障害者の雇用者数割合では65歳以上が17.4%と最も高くなっています。

身体障害者の雇用/年齢階級別雇用者数の割合(%)

19歳以下20~24歳25~29歳30~34歳35~39歳40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65歳以上
身体障害者0.12.53.84.77.86.311.815.816.313.017.4
常用雇用者0.87.310.710.010.912.014.113.210.16.84.0

これは、一般の常用労働者と比較した場合に特徴的な傾向です。身体障害者の雇用は49歳以下の層で割合が低く、50歳以上の層で割合が高いという結果が示されています。つまり、身体障害のある方は比較的年齢が高い層に雇用が集中していることが分かります。背景には、加齢による障害の発生や、長年同じ企業で働き続けているケースなどが考えられます。

一方で、発達障害者の年齢構成は大きく異なります。同調査によると、20~24歳が23.1%、25~29歳が21.4%、30~34歳が16.7%と、34歳以下の若年層の割合が高いのが特徴です。発達障害は比較的若年期に診断・支援につながるケースが多く、学校卒業後の就職支援と連動して雇用に結びついていることが影響していると考えられます。

このように、障害者雇用は一括りに語れるものではなく、障害の種類によって年齢分布に違いがあります。自分の年齢だけで不利かどうかを判断するのではなく、こうした統計的な傾向も参考にしながら、自身の状況に合った就職の進め方を考えることが大切です。

出典:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書

中高年が障害者雇用で長く働くためのポイント

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中高年で障害者雇用を目指す場合、「採用されること」だけでなく「長く安定して働き続けること」を見据えた行動が重要になります。年齢を重ねている分、企業は即戦力や安定性を期待する一方で、柔軟性や健康面への不安を感じることもあります。

だからこそ、自身の年齢や障害特性に応じた働き方を選び、企業が中高年の障害者に対して何を求めているのかを理解した上で準備することが大切です。ここでは、長く働き続けるために押さえておきたい5つのポイントを解説します。

POINT1|培ったスキルを即戦力として活かす

中高年の強みは、これまでの職務経験で培ってきたスキルや知識です。企業は中高年の採用に対して、「教育コストを抑えつつ、すぐに現場で活躍してほしい」と期待する傾向があります。

そのため、過去の業務内容を具体的に振り返り、自分がどのような成果を出してきたのかを整理することが重要です。単に「長年働いてきました」と伝えるのではなく、「〇〇業務を10年間担当し、作業効率を△%改善した」など、具体的な実績を示すことで説得力が増します。

また、障害特性によって難しい業務がある場合でも、「できないこと」だけでなく「できること」「得意なこと」に焦点を当てて伝える姿勢が大切です。即戦力として何が提供できるのかを明確にすることが、長期雇用への第一歩となります。

POINT2|立場の変化を受け入れ、柔軟に適応する

長く働くためには、環境の変化に柔軟に対応できる姿勢が欠かせません。中高年の場合、上司や同僚が年下になるケースも珍しくありません。そのような状況でも素直に指示を受け入れ、協力的に働けるかどうかは重要なポイントです。

また、企業は常に業務改善やデジタル化を進めており、新しい仕組みやツールへの対応が求められる場面も増えています。年齢を重ねていること自体はマイナスではありませんが、「自分のやり方が正しい」という態度は職場での孤立につながる可能性があります。

年下の上司や同僚とも対等に連携しながら、変化する環境に前向きに適応していく姿勢が、企業からの信頼につながります。

POINT3|体調管理を心がける

安定して勤務を継続できるかどうかは、採用や評価に大きく影響します。特に中高年では、体力面や持病への懸念を持たれることもあります。

そのため、自身の障害の状態や体調の波を正確に把握し、無理のない働き方を選ぶことが重要です。フルタイムが難しい場合は短時間勤務を選ぶ、通院日をあらかじめ共有するなど、現実的な働き方を検討しましょう。

無理をして働き続けることは、結果的に長期就労を難しくします。企業にとっても、安定して出勤できる人材は大きな安心材料です。日頃から生活リズムを整え、体調管理を徹底することが、長く働く土台となります。

POINT4|職場の文化やルールを尊重する

豊富な経験がある一方で、「新人として働く」という意識を持つことも大切です。障害者雇用枠での転職では、これまでのキャリアとは異なる職種に就くこともあります。

その際に注意したいのが、過去の経験を基準にして新しい職場のやり方を否定してしまうことです。「前職ではこうだった」と過去のスタイルを押し付けるのではなく、まずは新しい職場のルールや文化を理解しようとする姿勢が求められます。

経験に裏打ちされた安定感や落ち着いた対応力に、職場文化への敬意と謙虚さが加わることで、「長く一緒に働きたい人材」として評価されやすくなります。

POINT5|必要な配慮を伝える

障害者を雇用する企業には、合理的配慮を行う義務があります。しかし、どのような配慮が必要かは、本人からの申し出がなければわかりません。

応募時や面接時には、自分の障害特性、できることと難しいこと、そして配慮してほしい事項を具体的に伝えることが大切です。「配慮があれば安定して働ける」という見通しを示すことで、企業側も受け入れやすくなります。

遠慮して伝えないまま入社すると、後からミスマッチが生じる可能性があります。長く働くためには、最初の段階でお互いの理解を深めることが重要です。

まとめ

障害者雇用に法律上の年齢制限はありませんが、実際の就職では年齢に応じたスキルや安定性が求められます。大切なのは、経験を強みに変え、体調管理と柔軟な姿勢を意識し、必要な配慮を適切に伝えることです。年齢だけで可能性を狭めず、自分に合った働き方を見極めながら長期就労を目指していきましょう。

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