就労移行支援を利用している方の中には、「2年が過ぎたらどうなるの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。就労移行支援には原則2年間という利用制限があり、期間内に就職できなかった場合の選択肢を事前に知っておくことが大切です。今回は、就労移行支援の2年ルールの仕組みや延長条件、期限後の選択肢について詳しく解説します。
就労移行支援の2年という利用期間の基本ルール

就労移行支援は、障害のある方が一般就労を目指すための福祉サービスです。利用にあたっては「原則2年間(24か月)」という期間の制限があります。まずは、この2年間のルールがどのように機能するかを確認しておきましょう。
利用期間「2年」の数え方
就労移行支援の2年間は、支給決定を受けてサービスを開始した日からカウントが始まります。
複数の事業所を利用しても期間は通算でカウントされるため、事業所を途中で変更してもリセットされません。
また、体調不良などで一時的に休んでいた期間も、原則としてカウントに含まれます(自治体によって取り扱いが異なる場合があります)。
2年の期間制限が設けられている理由
就労移行支援に利用期間が設けられているのは、就職という明確な目標に向けて集中して取り組める環境をつくるためです。
就労移行支援はあくまで「就職を目指す訓練の場」であり、長期利用を前提とした制度設計にはなっていません。
実際に、利用者の約93.5%が2年以内の利用でサービスを終了しており、制度が想定する標準期間内に支援が完結するケースがほとんどです。
出典:厚生労働省「第15回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム議事次第(オンライン会議)」
2年を過ぎても延長できる条件

就労移行支援の標準利用期間(2年)を過ぎた場合でも、一定の条件を満たせば最大1年間の延長が認められる場合があります。どのようなケースで延長が認められるのか、また延長できる期間はどのくらいなのかを確認していきましょう。
延長が認められる主なケース
延長が認められる主なケースとしては、就職活動が最終段階に入っており職場実習や採用選考が進行中である場合や、体調不良・入院により2年間で十分な訓練期間を確保できなかった場合などがあげられます。
また、継続的なスキル習得が必要であると支援員や事業所が申請書類に明記し、市区町村審査会の個別審査において必要性が認められた場合には、延長が認められることがあります。
一方で、就職意欲が著しく低い場合や訓練の成果がほとんど見られない場合は、延長が認められにくくなります。
最大でどのくらい延長できるか
延長できる期間は最大1年間(12か月)で、延長後を含めても就労移行支援の利用は通算3年以内が上限です。
延長はあくまで例外的な措置であり、誰でも自動的に認められるわけではありません。
利用を希望する場合は、必ず事業所と相談しながら自治体へ申請し、審査を受ける必要があります。
就労移行支援の利用期間を延長する際の流れ

延長を希望する場合、申請は本人や事業所が市区町村の障害福祉課に対して行います。手続きには時間がかかるため、余裕をもって早めに動き始めることが大切です。具体的な手順を確認しましょう。
STEP1|担当支援員への相談
最初にすべきことは、就労移行支援の担当支援員に「延長したい」と相談することです。支援員が延長の必要性を確認し可否を判断した上で、申請書類の作成をサポートしてくれます。
主治医の診断書が必要になるケースも多く、作成費用の目安は1,000~5,000円程度です。期間終了の2か月前を目安に相談を始めることで、手続きに余裕が生まれます。
STEP2|市区町村への申請と審査
次に、支援員と一緒に必要書類を揃え、居住地の市区町村(障害福祉課)に延長申請を提出します。市区町村では「延長後に就労できる見込みがあるか」を審査し、申請の可否を判断します。
審査結果が出るまでに数週間かかることもあるため、早めに行動を始めることが重要です。認定された場合、最大1年間の追加利用が可能です。
延長が認められなかった場合の選択肢
延長申請が認められなかった場合や、2年(または延長後)でも就職に至らなかった場合でも、次のステップに進む選択肢はあります。
自分の状況や体調に合った支援サービスを選ぶことが、その後の生活と就職活動に大きく影響します。主な選択肢を確認していきましょう。
就労継続支援A・B型
就労継続支援は、一般就労が難しい方が働きながら支援を受けられるサービスです。
A型は雇用契約を結び最低賃金が保証される一方、B型は雇用契約を結ばず、工賃を受け取りながら体調に合わせて柔軟に働けるという特徴があります。
就労移行支援から就労継続支援A・B型へ移行することは制度上可能です。ただし、就労継続支援は一般就労が困難な方を対象とした制度であり、就労移行支援のように一般就職に特化した訓練を目的とするものではありません。
将来的に一般就労を目指す場合は、担当支援員と相談しながら方向性を検討することが重要です。
地域活動支援センター
地域活動支援センターは、就労よりも生活の安定や社会とのつながりを重視した支援を提供する施設です。創作活動・生産活動・社会交流など、日常生活の安定を目的としたサポートが中心で、就職そのものを目的とするサービスではありません。
体調が安定していない時期や、社会復帰に向けてゆっくりステップを踏みたい方に適しています。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーション(通称:サポステ)は、15~49歳の働くことに悩みを抱える方を対象とした無料の就職支援機関です。就労移行支援と異なり、障害者手帳がなくても利用できるのが特徴です。
就職相談・履歴書添削・面接練習・各種セミナーなど、就職活動に直結した支援を受けられます。
就労移行支援で2年以内に就職するためのポイント
ここでは、就労移行支援で2年以内に就職するための具体的なポイントをご紹介します。
目標とスケジュールを早めに立てる
利用を始めた段階から、「いつまでに就職活動を始めるか」「どんな職種を目指すか」を支援員と一緒に決めておくことが大切です。
2年間を逆算してスケジュールを組み、訓練内容や職場実習の時期を設定することで、期間を無駄なく活用できます。
早めに動き始めることで、体調が崩れたときでも余裕を持って対応できます。
担当支援員と積極的に連携する
担当の支援員は、利用者の就職を一緒にサポートしてくれる心強い存在です。体調の変化・不安なこと・職場への希望などをこまめに共有することで、より適切なサポートを受けられます。
支援員から提案される職場実習や企業見学には積極的に参加し、実践的な経験を積むことも大切です。
定期的な面談では進捗を確認し、必要に応じて訓練内容や目標を見直すことで、残りの期間を
より効果的に活用できます。
まとめ
就労移行支援の利用期間は原則2年間ですが、条件を満たせば最大1年の延長が認められる場合もあります。また、延長が難しい場合でも、就労継続支援やサポステなど、状況に応じた次のステップが用意されています。まずは担当支援員に相談しながら、自分に合った支援の道筋を一緒に考えていきましょう。
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めぐるファーム編集部
障害者の雇用が少しでも促進されるよう、企業担当者が抱いている悩みや課題が解決できるようなコンテンツを、社内労務チームの協力も得ながら提供しています。