てんかんの人との接し方|職場での対応・採用時の注意点・支援策を解説

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てんかんと書かれた画像

てんかんのある方と職場でともに働く際、正しい知識と適切な対応が欠かせません。しかし「発作が起きたらどうすれば良い?」「採用時に何を確認すれば良い?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。今回は、てんかんの基本的な症状から、職場での発作対応・採用時の確認事項・合理的配慮・外部支援の活用まで詳しく解説します。

てんかんとは?

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てんかんの基本的な特徴と、発作の種類・引き起こす要因について解説します。

主な症状

てんかんは、脳の神経細胞が過剰な電気活動を起こすことで生じる慢性的な脳疾患です。異常な電気的興奮が生じると、けいれんや意識障害といった「てんかん発作」が繰り返し起こります。多くの場合、適切な治療で症状をコントロールできます。

てんかん発作の症状は、異常な電気活動が生じる脳の部位によって大きく異なります。「全身がけいれんする」というイメージを持たれがちですが、実際の発作の様子は人によってさまざまです。

発作は大きく「部分発作」と「全般発作」の2種類に分けられます。

部分発作は、脳の一部分で起こる発作です。手足のけいれんやしびれ、光・音を感じる、吐き気が起こるといった症状が現れます。意識が保たれる「単純部分発作」と、意識が障害される「複雑部分発作」の2つに分類されます。

全般発作は、脳全体に及ぶ発作です。突然意識を失い全身が硬直・けいれんする「強直間代発作」、数秒間だけ意識が途切れる「欠神発作」、全身の力が急に抜けて倒れてしまう「脱力発作」などがあります。

発作のトリガー要因

てんかん発作を引き起こすトリガー要因は、「体調」「外部環境」「行動」の3つに大きく分けられます。どのような条件下で発作が起きやすいかは個人差があります。

体調

睡眠不足や生活リズムの乱れ、ストレスの蓄積、肉体的・精神的な疲労がトリガーとなりやすいです。そのほか、体温の上昇や過呼吸、月経なども発作と関連があります。

外部環境

光の点滅や特定の縞模様、急に鳴り響く大きな音のほか、気圧の変化といった気象条件が影響することがあります。

行動

薬の飲み忘れやアルコールの摂取が代表的なトリガーです。また、長時間の計算・読書・ビデオゲームなど、脳への持続的な刺激が引き金になる場合もあります。

職場でてんかん発作が起きたときの対応

胸を押さえている画像

職場でてんかん発作が起きた場合に、周囲がとるべき発作中・発作後の対応を解説します。

発作中の対応

職場でてんかん発作が起きた際、周囲の人はまず落ち着いて行動することが大切です。大声で呼びかけたり、身体を無理に押さえつけたり、口の中に物を入れたりする行為は、本人を傷つけるおそれがあるため避けてください。

具体的には、まず周囲の危険物を遠ざけ、安全な場所へ移動します。頭を守るためにクッションや衣類などを下に敷き、呼吸しやすいよう衣服のボタンやベルトを緩め、嘔吐に備えて身体を横向きにして様子を見守ります。

発作は通常、数秒から数分で自然に治まります。ただし、発作が5分以上続く場合や連続して起こる場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。

発作後の対応と記録

発作が治まった後は、本人が十分に回復するまで安静にさせます。眠っている場合は無理に起こさず、そのまま休ませてください。体調が回復しきっていない場合は、早退や欠勤を検討することも必要です。

また、発作が起きた時刻・継続時間・発作前後や発作中の様子を可能な限り詳細に記録しておくことが重要です。記録した情報は、本人が医師に状況を正確に伝える際や、今後の治療・職場での対策を検討する際に役立ちます。

てんかんのある社員を採用する際の確認事項

履歴書を見ている画像

てんかんのある方が職場で安定して長く働くためには、採用時に本人の状況や必要な配慮を丁寧に確認し、適切な環境を整えることが重要です。思い込みや偏見を排除し、本人と職場の双方が納得した形で就業を進められるよう、以下の点を確認しておきましょう。

障害の自己理解と病状の把握

まず、本人が自身の症状や発作についてどの程度理解しているかを確認します。自己理解が深い方は、職場への説明や発作時の対応も的確であり、職場側もサポートを検討しやすくなります。

具体的には、直近で発作が起きた時期、どのような状況で発作が起きやすいか、また服薬の状況(飲み忘れがないかどうか)などを確認しておくと良いでしょう。これらの情報は、業務内容や配置を検討する際の重要な判断材料になります。

発作時の対応と配慮の希望

発作といっても種類はさまざまです。本人にどのような種類の発作が起きるのかを確認した上で、発作時に本人が自分でどう対処しているのか、周囲にどのような対応や配慮を求めているのかを具体的に聞き取ります。

あわせて、通院のスケジュールや緊急時の連絡先も職場側で把握しておくと安心です。また、採用後・入社時に、本人の同意を得た上で障害者手帳や医師の診断書の提出を求めることも、状況を正確に把握するために有効です。

業務内容と働き方のすり合わせ

車の運転や高所作業など、発作が起きた際にリスクが高まる業務については事前に確認し、担当業務から外すかどうかを検討します。本人の安全を守るためにも、リスク要因を洗い出しておくことが大切です。

また、「どのように働きたいか」という本人の意向をしっかり聞き、自社で提供できる業務内容や職場環境の中で定着・活躍できるかどうかを判断します。一方的に配置を決めるのではなく、本人と丁寧にすり合わせることが、長期的な就労継続につながります。

てんかんのある社員への合理的配慮と環境整備

てんかんのある社員が安心して長期的に働き続けられるよう、企業には以下のような合理的配慮と環境整備が求められます。

業務負荷の軽減と柔軟な働き方

疲労やストレスはてんかん発作のトリガーとなりやすいため、夜間勤務や長時間労働を避ける配慮が必要です。フレックスタイム制や在宅勤務といった柔軟な働き方を導入することで、本人が体調を管理しながら働きやすい環境を整えられます。

また、勤務中に定期的な休憩時間を設けるとともに、万が一発作が起きた際に安全に休息できるスペースを確保しておくことも重要です。

体調管理と業務面のフォロー

確実な服薬や定期的な通院ができるよう、必要な時間を業務スケジュールの中で確保します。

職場環境においても、光の点滅・高温・睡眠不足といった発作の誘発因子をできる限り排除するよう努めましょう。

業務面では、写真や図を取り入れた業務マニュアルやチェックリストを活用し、指示は口頭だけでなく書面で1つずつ伝える工夫が効果的です。

習熟度に応じて業務量を段階的に調整することで、無理なくスキルを身に付けられる環境を整えられます。

周囲の理解と緊急時の備え

本人の同意を得た上で、配属先の上司や同僚にてんかんに関する正しい知識や症状、発作時の対処法をあらかじめ共有しておきます。正しい理解が広まることで、発作が起きた際にも周囲が慌てず適切に対応できるようになります。

あわせて、具体的な対処手順や緊急連絡先をまとめた対応マニュアルを作成し、職場全体に周知しておくことが大切です。いざというときに誰でも動けるよう、事前の備えを整えておきましょう。

相談体制の構築

業務上の悩みや体調の変化をいつでも相談できるよう、メンターの配置やジョブコーチの活用が有効です。定期的な面談を設けることで、本人が抱える不安や困りごとを早期に把握し、問題が深刻化する前に対処できます。

制度や体制を整えるだけでなく、日常的に気軽に相談できる職場の雰囲気づくりが、長期的な定着の鍵となります。

てんかんのある社員の定着をサポートする外部支援

てんかんのある社員が職場で長く安定して働き続けるためには、社内での配慮に加えて、外部の就労支援機関や社会制度を積極的に活用することが重要です。

就労支援機関との連携

企業が単独で対応に悩む場面では、専門機関との連携が大きな助けになります。代表的な支援機関として、以下の3つがあげられます。

障害者就業・生活支援センター

就労と日常生活の両面からサポートを提供する機関です。個別の相談対応や職場定着の支援に加え、生活面での困りごとにも対応しており、本人が安定した生活基盤を築く上で心強い存在です。

障害者職業センター

障害者の就労支援に特化した公的施設です。本人の特性に合わせた職業訓練や職場適応訓練を実施するほか、企業側に対しても雇用管理上の課題を分析し、職場での具体的な配慮事項について専門的な助言や援助を行っています。

ハローワーク

職業紹介にとどまらず、採用後の職場適応に向けたアドバイスや就労後のフォローアップも担っています。採用前後を通じて幅広く活用できる窓口です。

社会制度の活用サポート

本人の経済的負担を軽減し、安心して働き続けられる環境を整えるには、社会制度の把握も大切です。

自立支援医療制度

てんかんのように長期にわたる継続的な治療が必要な場合に、医療費の自己負担を原則1割に軽減できる制度です。

精神障害者保健福祉手帳

手帳を所持していると各種割引や税制優遇が受けられるほか、職場においても必要な配慮を求めやすくなります。

障害年金

発作が頻繁に起こるなど就労に支障が生じている場合に、経済的な支援を受けられる制度です。本人の生活を安定させることが、結果として就労継続にもつながります。

まとめ

てんかんのある方が職場で安心して長く働き続けるためには、正しい知識を持ち、採用時から丁寧に状況を確認した上で、適切な環境整備と支援体制を整えることが大切です。外部機関や社会制度も積極的に活用しながら、誰もが働きやすい職場づくりを進めていきましょう。

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