ストレスが原因で、ある日突然耳が聞こえにくくなることがあります。その背景には、突発性難聴やメニエール病、低音障害型感音難聴などの疾患が関係している可能性があります。これは誰にでも起こり得る身近な不調であり、早期の対処が重要です。今回は、3つの疾患の症状や原因、治療法に加え、日常生活でできる予防策についてわかりやすく解説します。
ストレスで耳が聞こえにくくなる疾患①突発性難聴

突発性難聴の症状、原因、主な治療法について解説します。突然耳が聞こえにくくなる病気のため、異変に気づいた時点で早めの受診が大切です。
症状
突発性難聴は、ある日突然片耳が聞こえにくくなるのが大きな特徴です。多くは片耳に起こりますが、まれに両耳に症状が出ることもあります。
音が遠く感じるだけでなく、耳が詰まったような耳閉感や、高音の耳鳴りを伴うケースも少なくありません。さらに、内耳の障害が強い場合には、めまいや吐き気が起こることもあります。
発症は40~60代に多いとされています。疲れがたまっているときや強いストレスを感じているときに異変が起こることもあり、軽い聞こえづらさでも見過ごさないことが重要です。
原因
突発性難聴は突然起こる一方で、はっきりした原因はまだ解明されていません。現在は、ウイルス感染によって内耳が障害される説と、内耳の血流が悪くなることで発症する説が有力とされています。
特にストレス、過労、睡眠不足、不規則な生活は、血流や自律神経の乱れを招きやすく、発症リスクを高める要因です。忙しさが続いて心身が弱っているときほど、耳の不調が起こりやすくなると考えられています。
また、糖尿病などの基礎疾患がある方は血管の状態が影響しやすく、注意が必要です。複数の要因が重なることで、突発的に聞こえが低下すると考えられています。
主な治療法
突発性難聴は、発症後できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが重要です。
治療の中心は、副腎皮質ステロイド薬による薬物療法です。炎症を抑え、内耳の機能回復を促す目的で使われます。症状や状態に応じて、血管拡張薬やビタミンB12製剤が併用されることもあります。
ただし、経過には個人差があり、完治する人、ある程度まで改善する人、難聴が残る人がそれぞれ約3分の1ずつといわれています。そのため、ストレスによる一時的な不調だと自己判断せず、早期治療につなげることが大切です。
ストレスで耳が聞こえにくくなる疾患②メニエール病

メニエール病の症状や原因、主な治療法について解説します。ストレスとの関係が深く、繰り返すめまいと難聴が特徴の疾患です。
症状
メニエール病の最大の特徴は、グルグルと回るような回転性のめまい発作です。発作は突然起こり、数十分から数時間続くことがあります。
このめまいに加えて、難聴や耳鳴り、耳が詰まったような感覚(耳閉感)が同時に現れるケースが多く、さらに吐き気や嘔吐を伴うこともあります。日常生活に大きな支障をきたす点が大きな特徴です。
また、発作は一度きりではなく、繰り返し起こるケースも少なくありません。適切な対処をせずに放置すると、徐々に聴力が低下し、最終的に高度な難聴が残る可能性があるため注意が必要です。
原因
メニエール病は、内耳にある内リンパ液が過剰にたまる「内リンパ水腫」が直接の原因とされています。この状態により、聴覚や平衡感覚に異常が生じ、めまいや難聴が引き起こされます。
発症や発作の引き金として大きく関わるのが、ストレスや生活習慣の乱れです。特に、睡眠不足や過労が続いていると自律神経のバランスが崩れ、内耳の環境が不安定になりやすくなります。
さらに、気圧の変化も影響するとされており、天候の変化に合わせて症状が出やすくなる方もいます。複数の要因が重なることで、発作が誘発される点が特徴です。
主な治療法
メニエール病の治療では、まず薬物療法によって症状のコントロールを行います。めまいを抑える薬や、体内の水分バランスを調整する利尿剤、不安を和らげる抗不安薬などが用いられます。
ただし、薬だけで根本的な改善を目指すのは難しく、ストレス管理や生活習慣の見直しが欠かせません。十分な睡眠の確保や、過労を避ける働き方、規則正しい生活が再発防止に直結します。
症状が重く、薬で十分な効果が得られない場合には、内耳に圧力をかける治療や、内リンパ嚢を開放する手術が検討されることもあります。早期の適切な対策で、症状の悪化を防ぐことが重要です。
ストレスで耳が聞こえにくくなる疾患③低音障害型感音難聴
低音障害型感音難聴の症状や原因、主な治療法について解説します。ストレスとの関係が深く、比較的若い世代にも多いのが特徴です。
症状
低音障害型感音難聴は、その名の通り低音域だけが聞こえにくくなるのが特徴です。人の声は聞こえるものの、低い音や環境音がこもって感じられることがあります。
また、耳が詰まったような感覚や、水が入ったまま抜けないような違和感を訴える人も多くみられます。さらに、低い音の耳鳴りや、自分の声が頭の中で響くように感じる症状が現れることもあります。
メニエール病とは異なり、回転性のめまいは基本的に起こりませんが、発症後2~3年の経過で5~10%程度がメニエール病へ移行すると考えられています。20~40代の女性に多いとされてきましたが、近年では中高年層にも増えており、幅広い年代で注意が必要です。
原因
主な原因は、内耳の蝸牛にあるリンパ液が過剰にたまる「内リンパ水腫」とされています。リンパ液が過剰にたまることにより音の伝達がうまくいかなくなり、低音域の聴力に影響が出ます。
ただし、なぜリンパ液が増えるのかは明確に解明されていません。発症の背景には、ストレスや睡眠不足、過労、風邪などが関与していると考えられています。
特にストレスは自律神経の乱れを引き起こし、内耳の環境に影響を与える要因です。体質的な影響も大きく、同じような生活をしていても発症する人としない人がいる点も特徴です。
主な治療法
治療は薬物療法が中心で、症状に応じて漢方薬や浸透圧利尿剤、血流を改善する薬などが処方されます。
比較的早期に改善するケースが多く、数日から数週間程度で症状が軽快することもあります。
再発を繰り返すと聴力が徐々に低下する可能性もあるため、「一時的な不調」と軽視せず、早めの医療機関受診が重要です。ストレス管理や生活習慣の見直しも、再発防止に大きく関わります。
ストレスによって耳が聞こえにくくなるのを防ぐためには?

ストレスが原因で起こる難聴を予防するためには、日々の生活習慣を整えることが重要です。ここでは、耳の健康を守るために意識したい具体的な方法を紹介します。
質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠は、内耳の健康を維持する上で欠かせません。睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、内耳の血流悪化やリンパ液の分泌異常につながるリスクが高まります。
そのため、毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、体内リズムを整えることが大切です。また、就寝1時間前にはスマートフォンやPCの使用を控え、脳をリラックスさせる環境づくりも効果的です。
寝室は暗く静かな状態を保ち、深い眠りを促す環境づくりを意識することで、耳への負担軽減にもつながります。
ストレスをこまめに発散する
ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが崩れ、内耳への血流に悪影響を及ぼします。その結果、耳の不調や難聴のリスクが高まるため、日常的なストレスケアが重要です。
趣味の時間を楽しむ、入浴で身体を温める、軽い運動を取り入れるなど、自分に合った方法でこまめにストレスを発散しましょう。また、ストレスを感じた際に一人で抱え込まず、家族や友人など信頼できる人に相談することも有効です。
特に几帳面で完璧主義の方は、無意識にストレスを溜め込みやすいため、意識的にリラックスする時間の確保が大切です。
首や肩のケアをする
首や肩の筋肉の緊張は、血流を悪化させ、内耳への酸素や栄養の供給を妨げる原因になります。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢が続く方は注意が必要です。
定期的に首や肩のストレッチを行い、筋肉のこわばりをほぐす習慣を取り入れましょう。加えて、入浴やマッサージによる血行促進も効果的です。
こまめに身体を動かすように意識することで、全身の血流が改善され、耳の健康維持にもつながります。
まとめ
ストレスによる難聴は、突発性難聴やメニエール病、低音障害型感音難聴などさまざまな形で現れます。いずれも早期対応が重要であり、日頃からの予防意識が大切です。
質の良い睡眠やストレス発散、首・肩のケアといった基本的な生活習慣の見直しで、耳への負担を軽減できます。違和感を覚えた際は放置せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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めぐるファーム編集部
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