精神障害者が安心して働き続けられる職場とは?発生しがちな悩み、働きやすい環境づくりを解説

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精神障害のある方が職場で安定して働き続けることは、企業にとっても大きな課題となっています。「どのような配慮をすればよいかわからない」「せっかく採用しても定着しない」と悩む人事担当者も少なくありません。精神障害者が働きやすい職場をつくることは、定着率の向上だけでなく、組織全体の働きやすさにもつながります。

今回は、精神障害者が仕事をする上で抱えやすい困りごと、働きやすい環境づくりのポイント、そして雇用成功事例について解説します。

精神障害者が仕事をする上で抱えやすい困りごと

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精神障害者を雇用する際、まずは当事者が職場でどのような困りごとを抱えやすいかを理解することが大切です。代表的な3つの困りごとについて説明します。

体調が安定しづらい

精神障害のある方は、心身のコンディションに波があり、不調なときには通常の仕事ができなくなることがあります。疲れやすさも特徴のひとつで、継続的な業務が難しいと感じる場面も少なくありません。

また、不安が大きくなりやすい傾向があり、仕事がうまく進まないと不安が連鎖的に膨らみ、状態がさらに悪化してしまうケースもあります。体調の変化を早期に把握し、柔軟に対応できる職場環境を整えることが重要です。

気圧の変化や季節の変わり目で体調が崩れやすい方も多く、長期休暇明けに復帰が難しくなるケースもあります。短期的な欠勤を想定した業務ローテーションを組んでおくことで、職場への影響を最小限に抑えられます。

見た目からは障害が伝わりにくい

精神障害は、肢体不自由などの障害と比べて、外見からは困難を抱えていることが伝わりにくい特性があります。「やる気がない」「手を抜いている」と誤解されることもあり、当事者の精神的負担をさらに大きくします。

こうした誤解が積み重なると、本人の状態はさらに悪化しかねません。周囲の社員が障害について正しい理解を持つことが、職場での良好な関係構築につながります。

精神障害の特性を理解してもらいにくい

精神障害には、統合失調症、うつ病、双極性障害など種類がさまざまで、感情や行動の偏りには個人差があります。同じ診断名であっても、困りごとの内容は人によって大きく異なるという点を理解することが大切です。

状況によっては誤解が生じ、人間関係に影響を及ぼすケースもあります。そのため、職場全体での理解促進に向けた継続的な啓発活動が不可欠です。

精神障害者にとって働きやすい環境をつくる方法

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精神障害者が安心して長く働き続けられる職場づくりには、いくつかの重要なポイントがあります。以下では、具体的な取り組みについて詳しく説明します。

障害特性を社内で共有する

精神障害に対する職場全体の理解が高まることで、合理的配慮が効果的に機能します。理解が広がった職場では、精神障害を持つ方が孤立することなく、安心して相談できる環境が生まれます。

社内研修や勉強会、啓発資料の共有、心理的安全性を意識したチーム運営を通じて、精神障害の特性を社内全体で共有する取り組みが重要です。

特定の担当者だけでなく、組織全体で障害のある社員を支える文化を育てましょう。

柔軟な勤務体制を設ける

フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務など、勤務形態や制度が柔軟な職場では、さまざまなニーズのある方が働くことが可能です。体調や気分の波に合わせて働くことができると、継続就労につながりやすくなります。

特に精神障害のある方にとって、勤務時間の融通が利くことは大きな安心感につながります。段階的な勤務時間の拡大を取り入れることで、無理なく職場に適応できるよう支援しましょう。

業務フローを明確化する

精神障害のある方は、曖昧な指示や漠然としたタスクに不安を抱えることがあります。業務内容を明確化し、マニュアルやチェックリストを整備することが重要です。

何をどの順番で行うかが可視化されると、安心して業務に取り組めます。業務のステップを細かく分けて示し、進捗をともに確認する仕組みをつくることで、本人の自己管理能力も高まります。

体調管理のサポートをする

体調不良時の休憩スペースを用意し、ストレスのサインを早期に発見するための観察と声かけを行うことが大切です。状況に応じた業務変更なども、柔軟に対応できる体制を整えておきましょう。

体調の変化に気づいた際に上司や担当者がすぐに対応できる仕組みをつくっておくと、悪化を防ぐことができます。早期対応のための報告・連絡ルートの整備が有効です。

相談しやすい環境を整える

辛いと思ったときに相談できる窓口が社内にあることは、従業員のメンタルヘルスを維持する上で重要です。

日常的に声をかけやすい雰囲気や、安心して悩みを共有できる関係性を築くことで、問題が深刻化する前に早期対応につなげることができます。

支援機関と連携を図る

企業だけで解決しようとせず、医療機関、障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターと連携することで、より専門的で継続的なサポートを得られます。

就労定着支援サービスを活用することも、雇用の安定につながる有効な方法です。専門機関との連携によって、企業担当者の負担を軽減しながら、より的確な支援が実現します。

精神障害者雇用の成功事例

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厚生労働省が実施したモデル事業に参加した企業の取り組みを2つ紹介します。いずれも、精神障害者の雇用定着に成功した事例として参考になります。

SMBCグリーンサービス株式会社

SMBCグリーンサービス株式会社は、1990年に三井住友銀行(※当時:住友銀行)が設立した特例子会社です。採用前から雇用促進チームを結成し、個人ごとのケース対応を決定する支援会議を開催しています。信頼できる就労支援機関に候補者の推薦を依頼する体制を整えているのが特徴のひとつです。

採用にあたっては、最終的なゴールとなるフルタイム勤務に耐えうる人物かどうかを基準としています。採用後は、精神科医とカウンセラーによる月1回のカウンセリングを実施し、短時間勤務制度の導入によって当人の状況に合わせた勤務時間の増減を可能にしています。

各種シートへの記入によって状態の変化を「見える化」する管理方法も取り入れており、早期に変化を察知できる仕組みが整っています。

株式会社かんでんエルハート

株式会社かんでんエルハートは、関西電力株式会社の特例子会社として1993年に設立されました。

採用前から社内カウンセラーを配置し、「アセスメントとサポート」を重視した段階的プランを策定している点が特徴です。

採用後は、仕事に慣れる・適性を見る・配属という段階を踏んだ職場定着支援を行っています。

社内カウンセラーによる病識・生活面でのフォロー、職場上司や第2号ジョブコーチによる業務面でのフォローを実施し、主治医・家族・就労支援機関と連携した多面的なサポート体制が整っています。

出典:厚生労働省「精神障害者雇用事例集『精神障害者とともに働く』

まとめ

精神障害者が働きやすい職場を実現するには、障害特性への理解、柔軟な勤務体制、業務の明確化、体調管理のサポート、相談できる環境の整備、そして支援機関との連携が重要です。これらを組み合わせることで、精神障害のある方が安心して長く働き続けられる職場づくりが実現します。

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めぐるファーム」は、農園を活用した就労機会の提供から雇用管理、定着支援までを一括でサポートし、企業の負担を抑えながら安定した障害者雇用の実現を支援するサービスです。

導入にあたっては、業務設計や受け入れ体制の整備についても専門的なサポートを受けられます。障害者雇用に不安を感じている企業でも、段階的に取り組みを進めやすい点が特長です。

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