関節リウマチを抱えながら働き続けることに、不安や悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、リウマチの方が避けた方がよい仕事の特徴から、向いている職種・職場環境、働き続けるためのポイントまで解説します。
リウマチで避けた方がよい仕事の特徴

関節リウマチを抱える方が避けた方がよい仕事の特徴は、主に「関節への身体的負担」、「精神的ストレス」、「働き方の柔軟性」という観点から整理されます。
関節に大きな負担がかかる仕事(重労働)
重い荷物を継続的に持ち運ぶ、または関節を酷使する動作を繰り返す仕事は、炎症のある関節への負荷が大きく、症状を悪化させる要因となります。
土木・建築業や運送業はその代表的な業種で、重労働を伴う介護職も同様に関節への負担が懸念されます。
長時間同じ姿勢(立ちっぱなし・歩きっぱなしなど)が続く仕事
長時間にわたる立ち仕事や歩行、階段の昇降は、膝をはじめとする下肢の関節に大きな負荷をかけます。接客業や工場内での作業などは、この点で注意が必要な職種です。
一方で、デスクワーク中心の仕事であっても、長時間関節を動かさないでいると、こわばりや可動域の低下を招くことがあります。
適度に席を立ったり足を動かしたりできる環境かどうかも、仕事選びの重要な判断基準になります。
寒い場所での作業や関節を冷やしやすい仕事
関節の冷えは痛みを増強させ、症状悪化の一因になります。冬の屋外での作業や水に触れることが多い仕事は、なるべく避けるのが無難です。
夏場であっても、冷房が強くかかったオフィスでは関節が冷えやすいため注意が必要です。ブランケットや上着などを活用し、身体を冷やさない工夫ができる職場環境かどうかも確認しておきましょう。
責任やプレッシャーが大きく、ストレスのかかる仕事
ストレスや過労は、関節リウマチの症状に影響を与える要因のひとつとされています。
特に、個人に大きな責任が集中する仕事や、クレーム対応など精神的な負担が継続的にかかる職種では、心身への影響に配慮することが重要です。
例えば、営業職・コンサルティング職・管理職などがあげられます。
代役が立てられず、急な休みが取りにくい仕事
関節リウマチは日によって痛みの度合いが異なるほか、朝に症状が強く出ることもあります。急な体調不良に備えて休んだり、通院のために時差出勤や早退をしたりする必要が生じることも珍しくありません。
少人数の職場など、自分の代わりを立てられない体制の職場では、休むこと自体が大きなプレッシャーになります。
柔軟に対応してもらいやすい体制の職場かどうかを、あらかじめ確認しておくことが重要です。
リウマチの方に向いている仕事

関節リウマチを抱える方に向いている仕事選びの条件と、具体的な職種の特徴について紹介します。
向いている仕事の条件
身体的な負担が少ないことは、仕事を長く続けるための基本的な条件です。
座ってできるデスクワークや軽作業など、重いものを運んだり長時間立ち歩きが生じたりしない仕事が、関節への負担を抑えるという点で適しています。
在宅勤務が可能な仕事は、通勤による疲労や関節への負担がなく、雨・雪・寒さなどの気候に左右されずに働けるため、特に向いています。
また、厳しいノルマやタイトな納期がなく、適度に休憩を取りながら自分のペースで進められる仕事が望ましいです。フレックスタイム制を活用できれば、痛みが強い日や通院に合わせて勤務時間を調整しやすく、より安心して働くことができます。
さらに、関節の冷えは痛みを悪化させるため、空調が管理された屋内で、天候の影響を受けない環境の仕事が推奨されます。
リウマチの方におすすめの職種
一般事務職やデータ入力はデスクワーク中心で体への負担が少なく、障害者雇用枠でも求人数が多い職種です。周囲のサポートを得やすい環境であることも、長く続けるうえで大きな安心感につながります。
プログラマーやシステムエンジニアは、パソコン作業がメインで在宅勤務をしている方が多い傾向にあります。スキルを習得すれば自分のペースで働きやすく、フリーランスとしての働き方も視野に入ります。
WebデザイナーやCADオペレーター、イラストレーターも同様にパソコンを用いる専門職で、スキル次第で在宅勤務やフリーランスへの道が開けます。
Webライターは個人事業主として裁量を持ちながら仕事を進めやすく、完全在宅での勤務が可能なため、症状の波に合わせた働き方がしやすい仕事です。
テレフォンアポインターやコールセンターのオペレーターは、電話を通じた対応が中心となるため身体的な移動や負担が少ない職種です。ただし、クレーム対応が多い職場ではストレス負荷が高くなる場合もあるため、業務内容や担当範囲をあらかじめ確認することをおすすめします。
リウマチの方が働く際におすすめの職場環境

ここでは、職場を選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説します。
柔軟な働き方(勤務形態)が選択できる環境
関節リウマチの治療では、定期的な通院が必要となることが多くあります。
また、日によって痛みの程度が変化したり、体調が急に変わったりする場合もあります。
そのため、フレックスタイム制や在宅勤務、時差出勤、時短勤務などの制度が整っている職場は、仕事と治療の両立を図りやすい環境といえます。
疾患への理解があり、周囲のサポートが得られる環境
病気に対する理解がある職場かどうかは、安心して長く働き続けられるかに大きく関わります。
例えば、重い物を運ぶ作業を代わってもらえたり、身体への負担が大きい業務を調整してもらえたりするなど、状況に応じた配慮が受けられる環境が望ましいといえます。
また、自分のペースで業務を進めやすく、適度に休憩を取りやすい職場であることも重要なポイントです。
さらに、各部署に複数の社員が在籍している職場では業務の分担がしやすく、休暇を取得しやすい傾向があります。
バリアフリー設備が整っている環境
症状が強く出ているときは、痛みやこわばりにより身体を動かしにくくなることがあります。そのため、わずかな段差でも転倒のリスクにつながる場合があります。
職場を選ぶ際は、スロープや手すりが設けられているか、段差の少ない設計になっているか、エレベーターが設置されており階段の昇降を避けられるかといった点を確認することが大切です。
また、ドアがタッチスイッチ式になっているなど、手や指の関節への負担に配慮された設備がある職場であれば、日々の業務をより安心して進めやすくなります。
温度調節ができ、身体を冷やさない工夫ができる環境
関節の冷えは痛みを悪化させるため、天候や外気温に左右されない屋内の職場が推奨されます。空調の温度設定を自由に調整できる、またはブランケットや上着を使った防寒対策が認められている職場であれば、季節を問わず体を冷やさない工夫がしやすくなります。
リウマチを抱えながら仕事を続けるためのポイント
関節リウマチを抱えながら長く仕事を続けるため、日常的に実践できるポイントをまとめました。
長時間同じ姿勢を続けないよう意識する
関節に負担をかけないことは大切ですが、逆に長時間動かさないでいると、可動域が狭まり、こわばりの原因になります。
デスクワーク中心の仕事であっても、定期的に席を立ったり、座ったまま足元を動かしたりして、適度に身体を動かす工夫を意識的に取り入れましょう。
関節を冷やさない対策を徹底する
冷えは関節の痛みやこわばりを悪化させる大きな要因のひとつです。
冬場の屋外作業や水に濡れる作業を避けるのはもちろん、夏場のオフィスでもエアコンの冷気から関節を守ることが必要です。
ブランケットや上着を常備しておき、冷風が直接身体に当たらないよう調整するなど、季節を問わず体温管理ができる備えをしておくことが大切です。
「困るケース」を想定して事前に準備しておく
日によって痛みの度合いが変わるため、いざという場面に備えてあらかじめ対策を考えておくことが重要です。
重いものを運ぶ際は無理をせず周囲に声をかける、落ちたものを拾う負担を減らすためにデスク脇にリーチャー(マジックハンドなどの自助具)を常備しておく、痛みが強い日は早退・休みといった自分なりの判断基準を持っておくなど、具体的な行動をあらかじめ決めておくと安心です。
職場に病気について伝え、理解と配慮を得る
症状とうまく付き合いながら働くには、同僚や上司など身近な人に病気のことを伝えておくことが大切です。
通院のための休みや、体調不良時の遅刻・早退、重いものを運べないといった事情をあらかじめ共有しておくことで、周囲にサポートを依頼しやすくなり、お互いの精神的な負担も軽くなります。
業務量が身体に大きな負担となっている場合は、配置転換や業務量の調整を申し出ることも、長く働き続けるための大切な選択肢です。
医療機関や支援機関を活用し、限界なら「休職」も検討する
職場への病気の伝え方や仕事との両立について悩んだときは、一人で抱え込まずに主治医や地域の支援機関(障害者就業・生活支援センターなど)に相談することをおすすめします。
症状が悪化して仕事の継続が困難になった場合は、すぐに退職を選ばず、まず休職を検討しましょう。
会社の休職制度や健康保険の傷病手当金(支給開始日から通算して最大1年6か月受給可能)を活用すれば、一定の収入を確保しながら治療に専念することができます。
症状が落ち着いてから時短勤務などで段階的に職場復帰を目指すのが、安全な回復への道です。
リウマチをもつ方が使える就労支援サービス
就労支援サービスには、公的機関から民間サービスまでさまざまな種類があります。
ハローワーク(公共職業安定所)
全国各地に設置されている公的な就職支援機関で、障害者専門の窓口が設けられています。
専門知識を持つ担当者が、症状の重さやこれまでのキャリアに沿った求人を提案してくれるほか、採用面接への同行や就職後の継続的なフォローなど、すべてのサポートを無料で受けることができます。
障害者就業・生活支援センター
身近な地域で、仕事面だけでなく健康管理や金銭管理といった生活面の相談にも対応してくれる機関です。
就労に向けた準備訓練や職場実習のあっせんを行うとともに、ハローワークなどの関係機関と連携しながら就業と生活の両面を一体的にサポートします。
地域障害者職業センター
各都道府県に設置されており、専門的な職業リハビリテーションを受けることができます。
カウンセリングによる個別の計画策定や、ジョブコーチ(職場適応援助者)による職場定着支援のほか、現在休職中で職場復帰を目指している方向けのリワーク支援も行っています。
就労移行支援事業所
障害や難病を抱える方を対象とした就職支援機関です。
ビジネスマナーの習得から就職活動のサポートまで幅広く対応しており、一般事務スキルやプログラミング、Webデザインなど、転職に直結するスキルを基礎から学ぶことができます。
障害者向けサテライトオフィス
専門知識を持った支援員が常駐するオフィスで就業する形態です。
体調や障害の特性に合わせて業務内容を調整してもらえ、困ったことがあればすぐに支援員に相談できるため、無理のない範囲で安定して働くことができます。
障害者雇用専門の転職エージェント
民間の職業紹介サービスで、キャリアアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれます。
求人紹介や書類添削・面接対策はもちろん、企業へ直接聞きづらい配慮事項を代わりに交渉してくれる点や、非公開求人を紹介してもらえる点がメリットです。
就業後の定着支援も行っており、基本的に無料で利用できます。
まとめ
関節リウマチを抱えながら仕事を続けるためには、関節への負担が少ない仕事や柔軟な働き方ができる職場環境を選ぶことが大切です。また、職場への病気の告知や支援機関の活用など、一人で抱え込まない仕組みづくりも長く働き続けるための重要な鍵となります。
ハローワークや就労移行支援事業所、障害者向け転職エージェントなど、利用できるサービスをぜひ積極的に活用してみてください。
Profile
著者プロフィール
めぐるファーム編集部
障害者の雇用が少しでも促進されるよう、企業担当者が抱いている悩みや課題が解決できるようなコンテンツを、社内労務チームの協力も得ながら提供しています。