編集日:2026.06.25
公開日:2026.06.25
躁うつ病(双極性障害)の人との付き合い方は?仕事に与える影響・接し方のポイントなどを詳しく解説
職場に躁うつ病(双極性障害)を持つ同僚や部下がいる場合、どのように接すれば本人への配慮と業務の円滑化を両立できるのか、悩んでいる管理職・人事担当者の方も少なくないのではないでしょうか。躁うつ病(双極性障害)は気分の波が大きく、うつ状態と躁状態を繰り返す特性があるため、状態によって接し方を柔軟に変える必要があります。
今回は、職場における躁うつ病(双極性障害)の方との付き合い方について、症状が仕事に与える影響・状態別の接し方・職場としての対応策を解説します。
躁うつ病(双極性障害)の症状が職場に与える影響

躁状態・うつ状態のそれぞれの症状によって、仕事や職場でのコミュニケーションに影響が生じることがあります。ここでは、職場で見られやすい影響について解説します。
仕事の成果に波が生じることがある
躁うつ病(双極性障害)では、躁状態とうつ状態によって仕事のパフォーマンスに差が生じることがあります。
躁状態では活力が高まり、多くの業務に積極的に取り組める場合があります。一方、うつ状態では集中力や意欲が低下し、業務の遂行が難しくなったり、欠勤や遅刻が増えたりすることもあります。
こうした状態の変化によって業務の進捗に影響が出ると、周囲から仕事の状況を把握しづらいと受け取られたり、業務の進め方に不安を持たれたりすることがあります。
ただし、こうした成果の波は本人の努力不足や意志の弱さによるものではなく、疾患の特性によるものであることを理解することが大切です。
人間関係に影響が生じることがある
躁状態では気分が高揚し、普段より話し続けたり、自信が強くなったりすることがあります。また、人によっては周囲とのコミュニケーションが一方的になる場合もあります。
一方、うつ状態では気力が低下し、人との関わりを負担に感じることで、コミュニケーションが減ることがあります。
こうした変化に周囲が戸惑い、「接し方がわからない」と感じるケースもあります。職場に躁うつ病(双極性障害)への理解が十分にない場合、本人が孤立しやすくなることもあるため、適切な理解と配慮が重要です。
認知機能への影響によりミスが増えることがある
うつ状態では、集中力や思考力が低下し、業務に必要な判断や計画立案が難しくなることがあります。
例えば、「同じ内容を何度も確認してしまう」「作業中に考えがまとまらなくなる」といった状態が見られ、結果としてミスにつながる場合があります。
また、躁状態でも注意が散漫になったり、判断や行動が普段より先行しやすくなったりすることで、確認不足や調整不足が生じることがあります。
このように、躁状態とうつ状態のいずれにおいても認知機能に影響が現れる場合があるため、本人だけでなく職場側も疾患特性への理解を深めることが大切です。
躁うつ病(双極性障害)の方と接する際のポイント

躁うつ病(双極性障害)の症状は状態によって大きく異なるため、その時々の状況に応じた対応が大切です。なお、危険な言動や深刻な兆候が見られる場合は、産業医や主治医、専門機関への相談を優先してください。
うつ状態の場合
うつ状態にある方に対しては、「がんばれ」「元気を出して」といった励ましの言葉が、場合によってはプレッシャーとして受け取られることがあります。そのため、無理に励ましたり解決策を提案したりするよりも、話を聞きながら見守る姿勢が大切です。
業務面では、本人の負担を考慮しながら業務量を調整することが基本となります。
集中力や判断力が低下している場合もあるため、重要な意思決定や大きな責任を伴う業務については、状況に応じて配慮を検討するとよいでしょう。
また、症状が強い場合には、主治医と相談しながら十分な休養を確保することが望ましいケースもあります。
躁状態の場合
躁状態では活動性が高まり、多くの業務を引き受けようとすることがあります。そのため、本人の意欲を尊重しながらも、業務量が過度にならないよう周囲がサポートすることが大切です。
また、気分の高まりによって感情が不安定になったり、普段より強い口調になったりする場合があります。そのような場面では感情的に応じるのではなく、落ち着いて対応することが重要です。
契約締結や高額な発注、重要な人事判断などの重要な意思決定については、状態の変化が見られる時期に個人へ負担を集中させず、複数人で確認できる体制を整えておくと安心です。
躁状態とうつ状態が切り替わる「混合状態」の場合
躁うつ病(双極性障害)では、躁状態とうつ状態が同時に現れる「混合状態」が見られることがあります。
混合状態では、気分の落ち込みや絶望感がある一方で、焦燥感や落ち着かなさ、活動性の高まりなどが同時に現れることがあります。そのため、本人にとって大きな負担となりやすい状態です。
混合状態は自殺念慮リスクとの関連が指摘されているため、特に注意深い見守りが必要です。
本人が「消えてしまいたい」「生きているのがつらい」などの発言をした場合や、普段と異なる深刻な様子が見られる場合は、速やかに主治医や産業医、専門機関へ相談することを検討してください。
躁うつ病(双極性障害)を持つ方と仕事をする際の対応策

職場での混乱を最小限に抑えながら、本人が安心して働き続けられる環境を整えるためには、組織としての取り組みが重要です。ここでは、職場で実践しやすい対応策を紹介します。
体調変化のサインと対処法を職場で共有しておく
日々の業務日報や体調管理表などを活用し、体調の変化を把握しやすい仕組みを整えることが有効です。どのような状況やタイミングで症状が現れやすいのかについて、本人と話し合って確認することで、早期の対応につながります。
また、体調の変化が見られた際の対応についても、あらかじめ本人と職場で認識を共有しておくと安心です。例えば、業務量の調整や勤務時間の見直し、通院時間の確保、本人の同意を得たうえでの情報共有などが考えられます。
日頃から対応の流れを整理しておくことで、体調に変化があった際も落ち着いて対応しやすくなります。
合理的配慮をともに考える
躁うつ病(双極性障害)のある方が安定して働き続けるためには、本人の状況に応じた合理的配慮を検討することが重要です。
例えば、通院のための休暇取得や勤務時間の調整、シフトの見直しなどは代表的な配慮の一例です。
また、コミュニケーション方法を工夫することも有効です。口頭だけでなくチャットやメールで指示内容を共有したり、複数のタスクを一度に伝えるのではなく優先順位を整理したりすることで、業務を進めやすくなる場合があります。
さらに、業務内容や職場環境に応じて、集中しやすい席への配置や業務内容の調整を行うことが役立つケースもあります。
合理的配慮は、一人ひとりが能力を発揮しやすい環境を整えるための取り組みです。本人と対話しながら、必要な支援を検討することが望まれます。
専門の相談窓口と連携する
理職や人事担当者だけで対応を抱え込まないためにも、専門機関との連携体制を整えておくことが重要です。
相談先としては、本人の同意を前提に、主治医や医療機関のソーシャルワーカーなどが挙げられます。
また、地域の保健所や保健センターでは、精神疾患のある方の就労や生活に関する相談を受け付けています。
さらに、精神保健福祉センターでは、本人や家族だけでなく、支援者や職場関係者からの相談にも対応しています。
対応に迷ったり、支援方法に不安があったりする場合は、専門機関への相談を検討すると良いでしょう。
まとめ
躁うつ病(双極性障害)の方との職場での付き合い方は、うつ状態・躁状態・混合状態それぞれの特性を理解し、状態に合わせた対応をとることが基本です。体調変化のサインを共有し、合理的配慮を整備し、専門窓口と連携する体制を職場全体で整えることが、本人の安定就労と組織の円滑な運営を両立させる鍵となります。
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めぐるファーム編集部
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