編集日:2026.06.25
公開日:2026.06.25
障害者マーク一覧|17種類のマークについて理解を深めよう
障害者マークには、見た目だけではわかりにくい困りごとや必要な配慮を周囲へ伝える大切な役割があります。しかし、「ヘルプマークはどんな人が使うのか」「車いすマークは車いす利用者専用なのか」など、正しい意味を十分に理解できていない方も少なくありません。マークの意味を知ることは、誰もが安心して暮らせる社会づくりにつながります。今回は、障害者に関する代表的なマークの種類や意味、見かけた際に求められる配慮について解説します。
障害者のための国際シンボルマーク

障害者のための国際シンボルマークは、障害者が利用しやすい建物や公共施設であることを示す世界共通のマークです。主に駐車場や建物入口、公共交通機関などに掲示されており、設置には国や自治体が定める基準を満たす必要があります。
車いすのデザインから「車いす利用者専用」と誤解されがちですが、実際には身体障害だけでなく、障害者全般が利用できる施設を示しています。そのため、利用者一人ひとりが正しい意味を理解することが大切です。
また、個人の車に表示する場合は、障害者が乗車していることを周囲へ知らせる役割に留まります。表示していても、駐車禁止規制の免除や障害者専用駐車場の優先利用など、法的効力はありません。
盲人のための国際シンボルマーク
盲人のための国際シンボルマークは、1984年に世界盲人連合が制定した世界共通のマークです。視覚障害者が安全かつ円滑に利用できるよう配慮された建物や設備、機器などに表示されており、バリアフリー推進の重要な役割を担っています。
信号機や国際点字郵便物、点字図書など幅広い場面で使用され、視覚障害への理解促進にもつながっています。
身体障害者マーク(身体障害者標識)

身体障害者マークは、肢体不自由を理由として運転免許に条件が付されている方が運転する際に表示する標識です。表示自体は努力義務とされていますが、周囲のドライバーに配慮を促し、安全運転につなげる重要な役割があります。
また、このマークを付けた車に対して、危険防止のため、やむを得ない場合を除き、幅寄せや無理な割り込みを行うことは禁止されています。違反した場合は道路交通法に基づき罰則の対象となるため、正しい理解と配慮が求められます。
聴覚障害者マーク(聴覚障害者標識)
聴覚障害者マークは、聴覚障害を理由に運転免許へ条件が付されている方が運転する車に表示する標識で、表示は義務とされています。
また、危険防止のため、やむを得ない場合を除き、このマークを付けた車への幅寄せや割り込みは禁止されており、違反した場合は道路交通法に基づき罰則の対象となります。周囲の運転者が標識の意味を正しく理解し、安全運転へ配慮することが重要です。
耳マーク
耳マークは、聞こえが不自由な人への理解と配慮を示すためのマークです。聴覚障害者や難聴者が周囲へ「聞こえにくい」ことを伝える役割があり、公共施設や店舗、窓口などで広く活用されています。
窓口や受付に耳マークが掲示されている場合は、聴覚障害者への配慮ある対応が可能であることを示しています。具体的には、筆談対応、口元を見せてゆっくり話す、はっきり発音するなど、相手が理解しやすいコミュニケーションをとることが求められます。
また、耳マークを提示された際には、聞こえにくさを理解した上で適切に対応することが重要です。呼びかける際は近くで合図をする、身振りや手話を活用するなど、一人ひとりに合わせた配慮が円滑なコミュニケーションにつながります。
ヒアリングループマーク
ヒアリングループマークは、補聴器や人工内耳に搭載されたTコイル機能を利用できる施設・機器であることを示すマークです。施設内に掲示することで、補聴援助システムが利用可能であることを難聴者へ分かりやすく伝えられます。
音声を聞き取りやすくする環境整備として、公共施設や窓口などで導入が進められています。
手話マーク
手話マークは、聞こえない人や聞こえにくい人が、手話言語によるコミュニケーション支援を求める際に使用されるマークです。当事者が提示することで、「手話言語で対応をお願いします」という意思表示になります。窓口や店舗、公共施設などで円滑な意思疎通を図るための重要な役割を担っています。
また、役所や交通機関、民間施設など、手話での対応が可能な場所で掲示される場合もあります。この場合は、「手話言語で対応できます」という意味を示し、利用者が安心して相談や手続きを行える環境づくりにつながります。
さらに、イベント時のネームプレートや災害時の支援者用ビブス(ベスト状のゼッケン)などに表示されることもあり、誰もが適切な支援を受けやすい社会づくりに役立てられています。
筆談マーク
筆談マークは、聞こえない・聞こえにくい人や音声言語障害者、知的障害者、外国人などが、筆談によるコミュニケーション支援を必要とする際に使用されるマークです。利用者が提示する場合は「筆談で対応をお願いします」という意思表示となり、円滑な意思疎通を促します。
一方で、役所や公共施設、交通機関、店舗などが掲示する場合は、「筆談で対応できます」という案内の意味を持ちます。
窓口表示だけでなく、イベント時のネームプレートや災害支援時のビブスなどにも活用されており、誰もが安心して利用できる環境づくりに役立っています。
オストメイト・オストメイト用設備
オストメイトとは、がんなどの治療により人工肛門や人工膀胱を造設している、排泄機能に障害のある方を指します。オストメイトマークは、対応設備のあるトイレや、利用者本人であることを示すマークであり、安心して外出や施設利用ができる環境づくりに役立っています。
子ども車いすマーク(小児用介助型車いすマーク)
病気や障害のある子どもが使用する「子ども車いす」であることを示し、周囲へ配慮や支援の必要性を伝えるためのマークです。
子ども車いすは外見がベビーカーに似ているため誤解を受けることもありますが、このマークは利用者が安心して移動できる環境づくりに役立っています。
また、子ども車いすでの利用を認めている施設や建物の入口に表示されることもあり、見かけた際には通行や利用への理解と配慮が求められます。
ハート・プラスマーク
ハート・プラスマークは、心臓や呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能など、身体内部に障害がある方を表すマークです。内部障害は外見から分かりにくいため、周囲に理解されにくいという課題があります。
このマークを身につけている方の中には、優先席や障害者用駐車スペースを必要とする方もいます。見た目では健康そうに見えても、長時間の立位や移動が大きな負担となることがあります。
そのため、ハート・プラスマークを見かけた際には、席を譲る、無理のない移動を配慮するなど、内部障害への理解と思いやりを持った行動が大切です。
ヘルプマーク

ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病のある方、妊娠初期の方など、外見からは分かりにくいものの、援助や配慮を必要としている方が身に着けるマークです。周囲に支援が必要であることを知らせる役割があり、公共交通機関や日常生活の中で理解と協力を促進します。
ヘルプマークを身につけている方を見かけた際は、電車やバスで席を譲る、困っている様子であれば声をかけるなど、思いやりのある対応が大切です。
聴覚過敏保護用シンボルマーク
聴覚過敏保護用シンボルマークは、「聴覚過敏」への理解と配慮を広めるために作られたマークです。国や自治体による公式マークではなく、株式会社石井マークが制作し、SNSを通じて認知が拡大しました。
聴覚過敏のある方は、周囲の音を強く不快に感じることがあり、生活の中で「イヤーマフ」を使用しているケースが多く見られます。しかし、イヤーマフはヘッドフォンのように見えるため、周囲から誤解を受けることも少なくありません。
このシンボルマークを見かけた際は、音に対して非常に敏感な方がいることを理解し、大声を控える、突然大きな音を立てないなど、周囲が配慮することが大切です。
エスカレーターマナーアップマーク
エスカレーターマナーアップマークは、身体に不自由のある方などが安心して立ち止まって利用できるよう、エスカレーターでの歩行を控えることを啓発するシンボルです。
本来、エスカレーターは歩かず立ち止まって乗ることが推奨されています。このマークを付けた方を見かけた際は、無理に通行を求めず、周囲が思いやりを持って配慮することが大切です。
障害者雇用支援マーク
障害者雇用支援マークとは、公益財団法人 ソーシャルサービス協会ITセンターが、在宅障害者就労支援や障害者雇用に積極的に取り組む企業・団体に付与するシンボルマークです。名刺やホームページなどに表示することで、障害者と企業をつなぐ役割を果たし、社会的信頼の向上にもつながります。
また、障害者雇用への積極姿勢を対外的に示せるため、企業の社会貢献活動のアピールとしても有効です。さらに、社内の受け入れ体制や就労環境の整備を進めるきっかけとなり、継続的な障害者雇用の促進効果も期待されています。
公益財団法人 ソーシャルサービス協会による審査に通過すると、シンボルマークを販促物やホームページなどで使用でき、企業価値や信頼性の向上に役立てられます。
ほじょ犬マーク
ほじょ犬マークは、「身体障害者補助犬法」の理解と普及を目的に作られたマークです。身体障害者補助犬とは、盲導犬・介助犬・聴導犬を指し、障害者の日常生活や社会参加を支える大切なパートナーです。
法律では、公共施設や交通機関だけでなく、デパート、スーパー、ホテル、レストランなどの民間施設にも、補助犬を同伴した利用者の受け入れが義務付けられています。補助犬の同伴を理由にサービス提供を拒否する行為は、障害者差別に該当します。
また、補助犬を同伴していても、使用者が困っている場面があります。その際は周囲が積極的に声を掛け、必要なサポートを行うことが大切です。
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマークは、視覚に障害のある人が白杖を頭上50cmに掲げて周囲へ助けを求める意思を示すサインです。
この普及啓発活動は、困っている人を見かけた際に、周囲の人が進んで声をかけ、必要な支援につなげることを目的としています。
駅のホームや交差点、慣れない場所などでは、視覚障害者が危険な状況に直面することがあります。そのため、白杖によるSOSサインが出されている場合はもちろん、サインがなくても困っている様子が見られた際には、「お困りですか」と声をかけることが大切です。
まとめ
障害者に関するマークは、支援や配慮が必要であることを周囲へ伝え、誰もが安心して生活できる社会を支える重要な役割を担っています。外見では分かりにくい障害や困りごともあるため、それぞれのマークの意味を正しく理解し、適切な行動につなげることが大切です。マークを見かけた際には、思いやりをもって声をかけたり、必要な配慮を心がけたりしながら、誰もが暮らしやすい環境づくりを意識していきましょう。
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著者プロフィール
めぐるファーム編集部
障害者の雇用が少しでも促進されるよう、企業担当者が抱いている悩みや課題が解決できるようなコンテンツを、社内労務チームの協力も得ながら提供しています。