知的障害のある子どもの進路ガイド|選択肢・相談先・進路を考える際のポイント

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知的障害を持つ子どもの卒業後の進路には、就労・福祉サービス・進学など、多様な選択肢があります。しかし選択肢が広いぶん、「どれが合っているのか」、「何を基準に決めればいいのか」と悩む方も少なくありません。今回は、知的障害を持つ方の進路の種類や相談できる機関、選択のポイントについて解説します。

知的障害を持つ子どもの主な進路

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知的障害を持つ子どもの卒業後の進路には、就労・福祉サービス・進学と幅広い選択肢があります。

一般就労

一般就労とは、一般の企業で働く就労形態です。障害を職場に開示して働く「オープン就労」と、開示せずに働く「クローズド就労」の2つがあり、本人の意向や状況に応じて選ぶことができます。

職種や雇用形態の選択肢が幅広く、昇進・昇給のチャンスが得やすいという点が魅力です。

ただし、クローズド就労の場合は職場から特性に合わせた配慮を受けることが難しく、他の従業員と同様の成果や作業スピードが求められる場面が多くなります。

障害者枠雇用

障害者枠雇用とは、障害を企業側に開示した上で働く制度です。

一般就労に比べて職種や給与が限られる場合がありますが、本人の特性に合わせた配慮を受けやすく、無理なく長く働き続けやすい環境が整っているのが特徴です。

安定して働き続けたい、自分のペースを尊重してほしいという方に向いた選択肢です。

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方を対象に、就労に必要な知識やスキルを身につけるための支援を行う福祉サービスです。

利用期間は原則2年間で、個別の支援計画をもとに履歴書の書き方や面接対策を学ぶほか、実際の企業での見学や実習を通じて就労イメージを深めることができます。

就職後も継続的なサポートが受けられるため、職場への定着を支える体制が整っています。

なお、就労移行支援の利用中は、原則として給料が支払われない点には注意が必要です。

出典:厚生労働省「就労移行支援について

就労継続支援(A型・B型)

就労継続支援は、一般企業での就労が難しい方に働く場を提供する福祉サービスで、A型とB型の2種類があります。どちらも利用期間に定めはなく、長期にわたって安心して就労し続けられるのが特徴です。

就労継続支援A型

A型は、事業所と雇用契約を結んで働く形態です。最低賃金が保障されており、平均月額約9万円(令和6年度時点)の収入を得ながら、事務や加工・農作業といった業務に携わることができます。

就労継続支援B型

B型は、雇用契約を結ばずに作業する形態です。工賃の水準はA型より低く、平均月額は約2.4万円ほど(令和6年度時点)です。

短い作業時間など本人のペースに合わせた柔軟な作業が可能で、職員による丁寧なサポートが受けられます。

出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について

特例子会社

特例子会社とは、障害のある方の雇用促進と安定を目的として企業が設立した、障害者雇用に特化した子会社です。

業務内容や労働時間など、本人の特性を踏まえた配慮が徹底されており、勤務体制や体調管理に関するサポートも手厚く、困ったときに相談できる担当者も配置されています。バリアフリー設備など、働きやすい環境づくりにも力を入れている点が特徴です。

障害をオープンにしながら、安心して長く働き続けたいと考えている方に適した選択肢といえます。

自立訓練(生活訓練)

自立訓練(生活訓練)は、自立した日常生活や社会生活を送るための能力向上を目的とした福祉サービスです。利用期間は原則最長24か月(長期入院者等の場合は36か月)です。

生活リズムの調整や体調・金銭の管理、買い物の仕方、公共交通機関の利用、コミュニケーションスキルの向上など、日常の生活基盤を整えるための実践的な訓練を行います。将来的に就労を目指すステップとして、簡単な作業やソーシャルスキルを学ぶことも可能です。

通所形態は3種類あり、日中に事業所へ通う「通所型」、自宅でサポートを受ける「訪問型」、夜間や休日に事業所で共同生活を体験する「宿泊型」から、本人の状況に合わせて選ぶことができます。

出典:厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について≪論点等≫

進学

卒業後の進路として「進学」を選ぶケースもあります。主に大学への進学と専門学校への進学の2つの方向性があります。

大学への進学

大学では、日常の学習管理などは本人主体で進めることが基本となります。そのため、障害学生支援センターなどによる支援体制が整っている大学を選ぶことが望ましいです。

なかには、社会参加や自立に向けた学びを重視する「福祉型専攻科」を設けている大学もあります。

専門学校への進学

専門学校では、実習を通じて将来の仕事を見据えた実践的な職業教育を受けられます。

ただし授業の進度が速い傾向があるため、入学前に支援体制の有無や内容をしっかり確認しておくことが欠かせません。

知的障害者の進路選択を決める上で相談できる機関

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進路選択に悩んだときは、一人で抱え込まずに専門機関へ相談することが大切です。知的障害のある方やその家族を支援する機関をご紹介します。

ハローワーク

ハローワークは、国が運営する就職支援の窓口です。一般の求職者向けの窓口に加え、障害に精通した専門スタッフが対応する「障害者専門窓口」が設置されており、知識豊富な担当者から求人探しのサポートを受けることができます。

面接対策などの就職支援イベントへの参加や、ハローワークのサイトを通じた求人情報の収集も可能です。

相談内容によっては主治医の診断書が必要になる場合があるため、利用前に確認しておくとスムーズです。

障害者職業センター

障害者職業センターは、各都道府県に設置されている就労支援機関です。障害や仕事に関する専門的な知識を持つ職員が在籍しており、知的障害をはじめ、障害や難病のある方の就職活動を専門的な視点から丁寧にサポートしてくれます。

ハローワークとも密接に連携しているため、求人紹介から就職後の定着支援まで一貫したサポートが期待できます。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就職活動や就職後の職場定着といった「仕事面」のサポートに加え、安定して働き続けるための基盤となる「生活全般」に関する相談にも幅広く応じてくれる機関です。全国各地に相談窓口が設置されています。

また、ハローワークや地域障害者職業センター、福祉施設など関係機関との橋渡し役も担っており、相談内容に応じて最適な支援につないでもらえます。

仕事と生活の両立に不安を感じている方にとって、心強い相談先となるでしょう。

知的障害を持つ子どもの進路選択で考えるべきポイント

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進路選択を行う際には、いくつか押さえておきたい重要なポイントがあります。ここでは特に大切な2つの観点を解説します。

本人の意思を尊重する

進路選択において最も重要なのは、本人の意思が十分に反映されているかどうかです。意にそぐわない形で就職した場合、職場への定着が難しくなる一因となります。

周囲の支援者は、本人の意思を代わりに決めてしまったり、提示する選択肢を意図的に絞ることで方向性を誘導したりしないよう注意が必要です。

一方で、選択肢が多すぎると本人が混乱してしまうこともあるため、客観的な評価をもとにある程度絞り込む配慮も求められます。

日常の中で表れる小さなサインや言動から本人の思いを丁寧に汲み取り、「説得」ではなく「納得」できる進路選びをサポートすることが大切です。

合理的配慮をまとめる

就職にあたって欠かせない準備のひとつが、合理的配慮の整理です。合理的配慮とは、「障害があること」への配慮だけではなく、本人が職場で直面する具体的な困りごとに対して環境を整えることを指します。

就職の際、企業からは「どうすれば働きやすくなるか」といった配慮事項の提示が求められます。これは企業が一方的に対応するものではなく、本人と企業が双方納得の上で調整していくものです。

入社前だけでなく入社後も、実際に働く中で生じる困りごとは変化していきます。本人の意思をもとに「できること」と「できないこと」を定期的に話し合い、働きやすい環境を継続的に整えていくことが大切です。

まとめ

知的障害を持つ方の卒業後の進路には、一般就労・障害者枠雇用・就労継続支援・福祉サービス・進学など幅広い選択肢があります。大切なのは、本人の意思を軸に、特性に合った環境を選ぶことです。支援機関を上手に活用しながら、焦らず一歩ずつ進路を検討しましょう。

本人が「納得」して選べる進路こそが、長く安心して働き続けられる土台になります。ハローワークや障害者職業センターなどの専門機関にも気軽に相談しながら、子どもに合った道を一緒に探していきましょう。

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