もにす認定制度とは?認定のメリットや認定基準、申請手続きを解説

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もにす認定制度とは、障害者雇用に積極的に取り組む中小事業主を国が公式に認定する制度です。単に法定雇用率を満たすだけでなく、職場定着や支援体制など総合的な取り組みが評価されます。「取得すると何がメリットなのか」「どうすれば認定されるのか」と気になる企業も多いでしょう。今回は、もにす認定制度の概要からメリット、認定基準、申請の流れまでを解説します。

もにす認定制度とは

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もにす認定制度(正式名称:障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度)とは、障害者雇用の促進や雇用の安定に積極的に取り組む中小事業主を、厚生労働大臣が認定する制度です。

評価の対象となるのは、単に法定雇用率を満たしているかどうかだけではありません。職場への定着を支える工夫や、働きやすい環境づくり、継続的な支援体制の整備など、総合的な取り組みが重視されます。

「もにす」という愛称は、「ともにすすむ(ともに進む)」という言葉に由来しています。企業と障害者が社会の中でともに成長していくという思いが込められています。

認定企業は地域のロールモデルとして公表されます。好事例を広く共有することで、社会全体における障害者雇用のさらなる促進を目指す仕組みです。

出典:厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)

もにす認定事業主になるメリット

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もにす認定を取得することで、企業は対外的な信頼性の向上だけでなく、資金調達や採用活動など実務面でもさまざまなメリットを得られます。

ここでは、認定事業主になることで得られる代表的な利点について解説します。

認定マークを使用できる

もにす認定を受けた企業は、商品や広告、会社案内、名刺、ホームページ、求人票などに「もにす認定マーク」を表示できます。

もにす認定マークは、障害者雇用に積極的かつ継続的に取り組んでいる企業であることを国が認めた証です。そのため、取引先や顧客、求職者に対して「ホワイト企業」「優良企業」としての姿勢を示すことにもつながります。

特に採用活動においては、企業の社会的責任(CSR)やダイバーシティへの取り組みを重視する人材からの評価向上が期待でき、企業ブランドの強化も期待できます。

低利融資の対象になる

もにす認定事業主は、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」において、通常よりも低い金利で融資を受けられる場合があります。

設備投資や職場環境の整備、業務効率化のための資金調達を検討している企業にとって、金利負担の軽減は大きなメリットです。特に中小企業にとっては、資金繰りの安定や成長戦略の後押しとなる実用的な支援策といえるでしょう。

社会的認知度が向上する

認定を受けた企業は、厚生労働省や都道府県労働局のホームページで企業名が公表されます。また、ハローワークの求人票にも認定マークが表示されます。

公的機関による情報発信は信頼性が高く、地域社会や求職者からの認知度向上に直結します。特に人材確保が課題となっている中小企業にとっては、他社との差別化を図る有効な材料となります。

社会的評価の向上は、採用力の強化だけでなく、既存社員のエンゲージメント向上にもつながります。

公共調達で加点評価を受けられる

一部の地方公共団体では、公共事業の入札や委託事業の選定において、もにす認定企業に対して加点評価を行う場合があります。

これは障害者雇用に積極的な企業を行政として後押しする仕組みであり、受注機会の拡大につながる可能性があります。特に官公庁との取引がある、あるいは今後参入を検討している企業にとっては、競争優位性を高める要素のひとつとなります。

もにす認定事業主になるための基準

もにす認定を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

認定の対象となるのは、常時雇用する労働者が300人以下の中小事業主です。その上で、障害者雇用の実績や取り組み状況について複数の観点から審査が行われます。ここでは、主な認定基準を確認していきます。

雇用率の達成

まず前提となるのが、法定雇用率以上の障害者を雇用していることです。

法定雇用率を達成していない場合は、原則として認定の対象になりません。単に人数を満たすだけでなく、安定した雇用を継続していることが重要です。

日頃から計画的に採用と定着支援を行い、雇用率を維持する体制づくりが求められます。

最低人数の確保

法定雇用率を満たしていることに加え、少なくとも1名以上の対象障害者を雇用していることが必要です。なお、就労継続支援A型事業所の利用者は対象に含まれません。

また、従業員数が40人未満であり、法定雇用障害者数が0人となる企業であっても、障害者を雇用していれば申請は可能です。つまり、企業規模の大小にかかわらず、実際に雇用している実績が重視される制度といえます。

障害者の法定雇用率とは? 雇用促進のためにすべきことを解説

障害者雇用促進法に従い、企業には定められた割合以上の障害者を雇用する義務があります。従業員の増加に伴い、法定雇用率の達成が課題になっている場合や、そもそも自社の規模で雇うべき人数がわからない場合もあるでしょう。障害者雇用の計画立案には、単なる制度の理解だけでなく、自社の雇用義務数と実雇用率を正確に把握するプロセスが不可欠です。今回は、法定雇用率の仕組みや算定方法のほか、未達成の場合のリスクについても解説します。なお、このコラムでは「障害者の雇用の促進等に関する法律」を「障害者雇用促進法」として表記します。障害者の法定雇用率とは?初めに、法定雇用率の制度の趣旨や今後の動向について解説します。障害者雇用促進法に基づく「法定雇用率」について障害者の職業的な自立や職業の安定を目的とした障害者雇用促進法では、事業主に法定雇用率の順守を義務付けています。法定雇用率とは、事業主に求められる障害者の雇用割合です。雇用と就業は、障害者が能力を発揮し、社会の一員として自立した生活を送るための軸として法律でも重視されています。事業者に期待される役割は、社会的責任として雇用を通じて障害者を支援することです。働きやすい職場づくりに取り組むことで、事業者にも、法令遵守による社会的信用の向上やダイバーシティの推進などのメリットがもたらされます。民間企業の法定雇用率は、以下の計算式で算出される数値やその他の要素を考慮して設定されています。障害者雇用率 =(A+B)÷(C+D)A:常用で働く障害者の数B:失業中の障害者の数C:すべての常用で働く労働者数D:すべての失業者数制度の対象となるのは、原則として障害者手帳を所持している方です。特殊法人や国および地方公共団体には、民間企業を下回らない雇用割合が求められます。法定雇用率に関する法令については、こちらの記事をご覧ください。 障害者雇用促進法とは?対象企業から求められる義務、違反リスクまで徹底解説 障害者雇用促進法により、障害者雇用の義務が発生することがわかっていても、具体的な内容を把握しきれていない担当者も多いのではないでしょうか。今回は、障害者雇用促進法の概要や改正ポイント、企業における義務について紹介します。障害者雇用促進法とは?障害者雇用促進法は、障害者の就労の安定を目的とした法律です。1960年に制定された身体障害者雇用促進法から始まり、名…

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評価点数の獲得

認定では、「取組(アウトプット)」「成果(アウトカム)」「情報開示(ディスクロージャー)」の3分野で審査が行われます。

それぞれの分野で定められた合格最低点をクリアした上で、合計で50点中20点以上(特例子会社は35点以上)を獲得することが必要です。

障害者が安心して働ける環境整備や、継続就業を支える仕組み、社内外への情報発信など、総合的な取り組み姿勢が評価されます。

その他の基準

そのほか、以下の基準を満たす必要があります。

  • 過去に認定を取り消された場合、取消しの日から起算して3年以上経過していること
  • 暴力団関係事業主でないこと
  • 風俗営業等関係事業主でないこと
  • 雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと
  • 重大な労働関係法令違反を行っていないこと

出典:厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)

もにす認定制度を申請する際の流れ

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もにす認定制度の申請から認定までの流れは、大きく5つのステップに分かれます。全体にかかる期間は、申請書が受理されてからおよそ3か月が目安です。スムーズに進めるためには、事前準備と書類の正確な作成が重要になります。

ここでは、具体的な流れを順に解説します。

1.事前準備

まずは、自社が認定基準を満たしているかを確認します。厚生労働省のホームページから「評価基準自己採点表」などの様式をダウンロードし、現状の取り組み状況を自己評価します。

法定雇用率の達成状況や、職場定着のための支援体制、情報開示の内容などを客観的に確認することが大切です。この段階で不足している項目があれば、改善策を講じてから申請に進むことで、認定の可能性を高められます。

2.申請書類の作成

要件を満たしていることが確認できたら、必要書類の作成・準備に入ります。

申請に必要な書類としては、以下の通りです。

  • 基準適合事業主認定申請書
  • 認定基準確認申立書
  • 障害者業務提供等事業の利用に係る該当申告書
  • 評価基準自己採点表
  • 評価要素該当申告書
  • 障害者雇用状況報告書 など

各書類では、障害者雇用に関する具体的な取り組みや実績を明確に記載する必要があります。記載漏れや数値の誤りがあると審査に影響するため、内容を十分に確認した上で提出準備を進めましょう。

3.申請書の提出

作成した書類一式は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局、またはハローワークに提出します。

提出方法や受付窓口は地域によって異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。書類が正式に受理されると、審査のプロセスへと進みます。

4.審査(書類審査・実地調査)

書類が受理されると、労働局による審査が始まります。まずは提出書類をもとにした書類審査が行われ、その後、実地調査(訪問審査)が実施されます。

実地調査では、実際の職場環境や支援体制、障害者の就労状況などが確認されます。書類の内容と実態が一致しているかが重視されるため、日頃からの取り組みがそのまま評価につながります。

5.認定の決定・通知

審査の結果、基準を満たしていると認められれば認定となり、「基準適合事業主認定通知書」「評価基準採点表」が送付されます。

一方で、基準に達していなかった場合は、「基準適合事業主不認定通知書」「評価基準採点表」が送付されます。

出典:
厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)
厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度申請マニュアル(事業主向け)

まとめ

もにす認定制度は、障害者雇用を前向きに進める中小事業主を国が評価・後押しする仕組みです。認定取得は信頼性向上や資金調達、公共調達での加点など経営面のメリットにもつながります。基準を正しく理解し、計画的に準備を進めることが重要です。自社の取り組みを見直し、認定取得を目指して体制整備を進めていきましょう。

自社で障害者雇用を進めるのが難しい場合は、民間の障害者雇用支援サービスを活用するのもひとつの方法です。

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