就労継続支援A型とは?仕事内容、平均給料、利用の流れなどを詳しく解説

この記事をシェアする

  • x
  • facebook
面談をしている画像

就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を受け取りながら働ける福祉サービスです。一般就労に不安がある方でも、支援を受けつつ安定した就労経験を積める点が大きな特徴です。B型や就労移行支援との違いへの理解が、適切な選択につながります。

今回は、仕事内容や平均給料、利用の流れまで詳しく解説します。

就労継続支援A型とは

就労支援の画像

就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら安定して働ける障害福祉サービスです。一般就労が不安な方でも、サポート体制の整った環境で就労経験を積める点が特徴です。

ここでは主な特徴を解説します。

雇用契約

A型事業所では利用者と事業所が正式に雇用契約(労働契約)を結びます。そのため労働基準法が適用され、労働時間や有給休暇などの権利が守られます。

また、賃金は地域の最低賃金以上が支払われることが原則です。工賃ではなく「給与」として支払われる点が、雇用契約を結ばないB型との大きな違いです。

利用期間

利用期間に原則として上限はありません。体調や状況に応じて、長期的に働き続けることが可能です。

ただし、雇用契約は有期契約(6か月~1年程度)が一般的で、雇用契約は一定期間ごとに更新が必要です。契約更新の際には、勤務状況や体調面などが確認されます。継続されれば、同じ事業所で安定して働き続けることができます。

対象者

原則18歳以上65歳未満の方です。ただし、児童相談所長の許可があれば、義務教育修了後の15歳以上でも利用できる場合があります。

また、65歳に達する前の5年間に支給決定を受け、誕生日の前日まで利用していた場合は、65歳以降も継続利用が可能です。

出典:
厚生労働省「就労選択支援実施マニュアル
厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要

就労継続支援A型とB型、就労移行支援との違い

障害福祉サービスの画像

障害福祉サービスのうち、就労移行支援は一般企業への就職を目指す訓練型サービスです。

一方、就労継続支援A型・B型は、支援を受けながら実際に働く場を提供するサービスです。また、A型は雇用契約を結び、最低賃金が保証される「雇用型」で、B型は雇用契約を結ばず、体調や状況に合わせて働く「福祉的就労」です。それぞれの違いを以下に整理します。

項目A型B型就労移行支援
目的雇用契約のもとで働く機会を提供生産活動などの就労機会を提供一般就労に向けた訓練
対象者一般就労が難しいが一定時間働ける方雇用契約での就労が困難な方一般企業への就職を目指す方
雇用形態ありなしなし
賃金最低賃金以上の給与工賃原則なし
利用期間原則制限なし原則制限なし原則2年以内

就労継続支援A型の仕事内容

車椅子の男性の画像

就労継続支援A型の仕事内容は、軽作業やPC業務まで幅広く、一人ひとりの得意分野や体調に合わせて選ぶことができます。

主な作業には、検品・部品の組み立て・袋詰め・箱詰め・クリーニングなどの軽作業があります。こうした仕事では、チームで協力しながらコツコツ取り組む力や正確さを身に付けることができます。

PC業務では、データ入力や文書作成、SNS投稿やホームページ更新、画像編集や動画制作など、ITスキルを伸ばせる仕事もあります。

そのほか、カフェでの接客や調理補助、農作業、企業での清掃・品出しなど、地域や企業と連携した多彩な仕事も用意されています。

仕事例は以下の表をご覧ください。

分野主な仕事内容
軽作業・製造・梱包製品の検品、部品の組み立て、袋詰め、箱詰め、クリーニング作業など
事務・PC業務データ入力、文書作成、SNS運用サポートなど
クリエイティブ関連Webデザイン、イラスト作成、動画編集、パンフレット作成など
接客・販売カフェ、レストラン、パン屋での接客、調理補助、清掃など
農業・環境関連農作業(収穫・選別)、草刈りなど
外部サービス(出向・請負)企業での清掃、商品の品出し・陳列など

就労継続支援A型の平均給料

2024年(令和6年)の就労継続支援A型の全国平均賃金は月額91,451円です。2023年の約86,752円から約5.4%増加しており(前年比105.4%)、年々改善傾向にあります。

ただし地域差があり、最低賃金の高い東京都は平均111,818円、群馬県は平均82,046円と、約3万円の差が生じています。賃金は地域の最低賃金水準に大きく影響される点が特徴です。

出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について

就労継続支援A型を利用する際の流れ・利用料・期間

就労継続支援A型は、福祉サービスでありながら雇用契約を結んで働く仕組みです。そのため、福祉手続きと就職活動の両方の流れを踏む必要があります。事前に全体像を把握しておくことで、スムーズに利用開始へ進めます。

ここでは、就労継続支援A型を利用する際の流れや利用料、期間について紹介します。

利用の流れ

相談・見学から利用開始までの流れを5ステップで紹介します。

1. 相談・見学

まずは市区町村の障害福祉窓口、ハローワーク、相談支援事業所などに相談し、現在の体調や就労経験、希望する働き方を伝えて事業所を紹介してもらいます。

見学では、作業内容や職場の雰囲気、通勤可能かどうかを確認します。

2. 事業所の面接・体験利用

利用したい事業所に応募し、面接を受けます。履歴書や職務経歴書の提出を求められる場合が多く、一般就労と同様の選考があります。

加えて、数日~1週間程度の体験利用を行い、実際の作業や勤務時間に無理がないかを双方で確認します。

3. 障害福祉サービス受給者証の申請

採用の見込みが立ったら、市区町村で「障害福祉サービス受給者証」を申請します。申請時には、障害者手帳や診断書、マイナンバー書類などが必要になることがあります。

4. 受給者証の発行・支給決定

自治体による聞き取り調査やサービスなど利用計画の作成を経て、支給決定が行われます。受給者証が交付されるまで数週間かかる場合もあります。

5. 雇用契約の締結・利用開始

受給者証が発行されたら、事業所と正式に雇用契約を結び、勤務が始まります。ここからは労働者として最低賃金以上の給与が支払われます。

利用料

A型は障害福祉サービスのため、原則として利用料の1割を自己負担します。ただし前年の所得に応じて月額上限が設定されており、実際の負担は抑えられています。1日の自己負担額は400~1,100円程度が目安です。

生活保護世帯や市町村民税非課税世帯は自己負担0円です。市町村民税課税世帯(年収おおむね670万円以下)の場合、月額上限は9,300円です。通所日数が多いほど利用料は増えますが、上限を超えることはありません。

なお、交通費や昼食代は実費負担となることが多く、事業所によって補助の有無が異なります。

まとめ

就労継続支援A型は、雇用契約のもとで最低賃金以上の給与を得ながら働ける障害福祉サービスです。仕事内容や賃金水準、利用手続きや自己負担額を正しく理解することで、自分に合った働き方を選択しやすくなります。見学や体験利用を通じて環境を確認し、無理のない形で利用を開始してみてはいかがでしょうか。

Profile

著者プロフィール

めぐるファーム編集部

障害者の雇用が少しでも促進されるよう、企業担当者が抱いている悩みや課題が解決できるようなコンテンツを、社内労務チームの協力も得ながら提供しています。

まずはお気軽にご相談ください。

提案書・見学・導入のご質問まで、専任スタッフが丁寧にご対応します。

「障害者雇用めぐるメディア」 は、株式会社NEXT ONEが運営する障害者雇用支援事業のメディアサイトです。
働くことは、誰かの役に立つこと。そして、自分自身を誇りに思うこと。
私たちは、障害のある方が自分らしく働ける環境を広げ、
雇用を支える企業や支援者とともに、持続可能な社会の実現を目指します。
このメディアでは、支援の現場、当事者の声、そして雇用のヒントを発信し、
すべての「はたらく」にあたたかいつながりを届けていきます。

Support work. Grow together.