障害者雇用は短時間勤務が可能?導入のメリット、注意点、成功のポイントを解説

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障害者雇用で短時間勤務は可能なのか、と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。障害者雇用数としてのカウントが週何時間から対象になるのか、企業側にはどのような影響があるのかなど、制度の細かな部分はわかりにくいものです。正しく理解していないと、採用や働き方の選択肢を狭めてしまう可能性もあります。

今回は、障害者雇用における短時間勤務の考え方や制度の仕組み、導入時のポイントについて解説します。

障害者雇用は短時間での就労も可能?

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結論からいうと、条件によっては週20時間未満の短時間勤務でも障害者雇用として算定できます。

障害者雇用率制度では、雇用率に算入される人数は障害の種類・程度・労働時間によって異なります。自社の雇用率を正確に把握するために、以下の表を参考にしてください。

障害の種類・程度週30時間以上週20~30時間未満週10~20時間未満
身体障害者10.5
重度身体障害者210.5
知的障害者10.5
重度知的障害者210.5
精神障害者※111※20.5

※1:精神障害者については、「精神障害者保健福祉手帳」所持者のみ対象。
※2:当分の間、算定特例により雇入れからの期間に関係なく、1カウントとして算定。

算定対象となるためには、原則として週20時間以上の所定労働時間が必要です。

ただし、重度の身体障害者・重度の知的障害者・精神障害者については、週10時間以上20時間未満であっても0.5人として算定できる特例措置が設けられています。

体力面や通院の必要性、症状の安定状況などにより長時間勤務が難しい方の雇用を検討する際にも、この特例措置を活用できます。

障害者雇用では単に「雇っているかどうか」だけでなく、「週何時間働いているか」が雇用率の達成に直結します。所定労働時間の設定は、採用計画の段階から慎重に検討することが重要です。

出典:厚生労働省「障害者雇用のご案内~共に働くを当たり前に~

障害者雇用で短時間勤務を導入するメリット

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障害者雇用において、週20時間未満の「超短時間勤務」を導入する企業が増えています。短時間勤務は、企業と働く本人の双方にとってメリットのある働き方です。

ここでは、超短時間雇用を取り入れることで得られる具体的な利点を解説します。

フルタイムが困難でも雇用しやすい

超短時間勤務の最大のメリットは、フルタイム勤務が難しい人材でも雇用しやすくなる点です。

障害の特性や体調の波により、長時間労働が負担になるケースは少なくありません。一方で、1日2~3時間、週10時間程度であれば安定して働けるという方もいます。こうした人材を対象にすることで、これまで採用が難しかった層にもアプローチできます。

また、短時間勤務だからこそ、強みを活かした業務設計が可能です。

例えば、特定の時間帯に集中力を発揮できる方には、その時間に重要な業務を任せることができます。細かい作業が得意な方には、データ入力やチェック業務などを担当してもらうことも有効です。業務を適切に切り出すことで、戦力化が進みます。

「フルタイム前提」ではなく、「できる時間に、できる業務を任せる」という発想に切り替えることで、人材活用の幅は大きく広がります。

体調管理がしやすい

短時間勤務は、働く本人にとって体調管理がしやすい働き方です。

障害のある方の中には、日によって体調に波がある方や、定期的な通院が必要な方もいます。短時間勤務であれば、体調が安定しているときに働き、調子が優れないときは無理をしないといった調整がしやすくなります。

また、勤務時間が短いことで疲労が蓄積しにくくなり、結果として安定した就労継続につながります。無理に長時間働くよりも、短時間でも継続できる働き方のほうが、企業にとっても安定した戦力となります。

離職率が下がる

超短時間勤務の導入は、離職率の低下にもつながります。

病状や体調、さらにはライフステージの変化に合わせて働き方を調整できる環境があれば、「働き続けられない」という理由での離職を防ぎやすくなります。例えば、体調が不安定な時期は勤務時間を短縮し、安定してきたら徐々に増やすといった段階的な対応も可能です。

このような柔軟性がある職場では、従業員が安心して長く働くことができます。結果として、採用や教育にかかるコストの削減や、業務の継続性確保にもつながります。

超短時間勤務は、企業の人材戦略としても有効な選択肢です。多様な働き方を受け入れる体制づくりが、これからの障害者雇用の鍵となるでしょう。

障害者雇用で短時間勤務を導入する際の注意点

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障害者雇用において短時間勤務を導入することは、多様な人材活用につながる一方で、事前準備が不十分だと現場の混乱や早期離職を招く可能性もあります。

ここでは、スムーズな運用と定着を実現するために押さえておきたい2つのポイントを解説します。

社内の理解促進と制度を整備する

短時間勤務では、業務をチームで分担する場面が多くなります。そのため、配属先の社員に十分な説明を行わないまま受け入れると、「業務のしわ寄せが来ているのではないか」といった不公平感が生まれるおそれがあります。

導入前には、障害特性や必要な配慮内容、担当業務の範囲を事前に共有し、役割分担を明確にしておくことが重要です。誰がどの業務を担うのかを可視化することで、不要な誤解や負担感を防ぐことができます。

また、短時間勤務を一時的な特例対応にせず、就業規則や人事制度の中に正式な制度として位置づけることも欠かせません。評価方法や賃金体系を明確にし、フルタイム社員との違いを整理しておくことで、組織としての一貫性が保たれます。

さらに、上司・同僚向けの受け入れガイドラインを策定し、部署ごとの受け入れマニュアルやチェックリストを作成しておくと、現場任せにならず安定した運用が可能になります。制度と理解、この両輪が整って初めて短時間勤務は機能します。

適切に業務を切り出す

短時間勤務を成功させるためには、業務の切り出し方が重要です。

補助的業務やデータ入力、書類チェック、軽作業など、短時間で完結しやすい業務を整理し、担当範囲を明確にします。業務を細分化し、手順を標準化することで、限られた時間内でも成果を出しやすくなります。

一方で、単純作業だけを任せ続けると、本人のモチベーション低下や孤立につながる可能性があります。そのため、チーム内での役割を明確にし、ミーティングへの参加や情報共有の機会を設けるなど、「組織の一員」として関われる業務設計が大切です。

短時間だからこそ、業務内容の質と設計が問われます。適切な業務分担とコミュニケーションの仕組みを整えることで、企業にとっても本人にとっても持続可能な雇用環境を実現できるでしょう。

障害者雇用で短時間勤務を成功させるポイント

障害者雇用における短時間勤務は、制度を整えるだけでは十分とはいえません。実際に現場で機能させ、定着につなげるためには、段階的な導入や支援体制の構築が重要です。

ここでは、短時間勤務を成功に導くための具体的なポイントを解説します。

週10時間以上から始める

短時間勤務を導入する際は、無理のない時間設定からスタートすることが効果的です。

数時間であれば高い集中力を発揮できる方の場合、まずは週10時間以上の勤務から始め、体調や業務への適応状況を見ながら段階的に時間を増やしていく仕組みが有効です。最初から週20時間以上を求めるのではなく、「安定して働ける時間」を基準に設計することで、継続率が高まります。

また、精神障害者や発達障害者で、週20時間以上の勤務が難しい方を対象にした「障害者短時間トライアル雇用」の活用も有効です。

障害者短時間トライアル雇用は、週10時間以上20時間未満の短時間から試行雇用を開始し、職場への適応状況や体調を踏まえながら、トライアル期間中に週20時間以上の就労を目指す制度です。

公的制度を活用することで、企業側の負担を抑えつつ、本人にとっても安心してチャレンジできる環境を整えられます。

テレワークを活用する

短時間勤務と相性が良いのが、テレワークの活用です。

通勤自体が大きな負担となる精神障害者や身体障害者に対して、完全在宅勤務やフレックスタイム制を組み合わせることで、無理のない時間帯で働ける環境を整えられます。

特に体調管理が重要な精神障害者にとっては、自宅という安心できる空間で働けるメリットは非常に大きいといえます。

厚生労働省では「障害者のテレワーク雇用 企業向け相談支援」を実施しており、テレワーク時の業務アサイン方法やマネジメント、コミュニケーションに関する疑問の解消を支援しています。外部の専門的アドバイスを取り入れることで、在宅勤務特有の課題にも適切に対応できます。

業務マニュアルを整備する

短時間勤務では、限られた時間の中で効率良く業務を進める工夫が必要です。そのためには、わかりやすい業務マニュアルの整備が欠かせません。

抽象的な指示は避け、「何を」「どの順番で」「いつまでに」行うのかを具体的に示します。文章だけでなく、図解やフローチャートを多用することで、理解のばらつきを減らすことができます。

また、チャットツールなどを活用し、疑問が生じた際にすぐ確認できる体制を整えることも重要です。短時間勤務者が孤立せず、安心して質問できる環境づくりが、生産性と定着率の向上につながります。

支援機関との連携を図る

短時間勤務を安定運用するためには、社内だけで完結させず、外部支援機関との連携を図ることが鍵となります。

ハローワークや就労移行支援事業所などは、採用前のマッチング支援から、就職後の定着支援まで幅広いサポートを提供しています。障害特性への理解や職場内での配慮方法について専門的な助言を受けることで、企業側の不安も軽減されます。

採用から定着までのプロセスに専門的な知見や人的支援を取り入れることで、障害のある方が無理なく職場に慣れ、長く働き続けられる土台を築くことができます。短時間勤務を成功させるには、企業単独ではなく、社会資源を活用した取り組みが重要です。

まとめ

障害者雇用のカウント対象となるのは週20時間以上が原則であるものの、特例制度や運用の工夫によって短時間勤務でも十分に活用でき、企業と働く本人の双方にとって大きなメリットがあります。制度を正しく理解し、業務設計や支援体制を整えながら、自社に合った短時間雇用の仕組みづくりを進めましょう。

自社に合った形で安定した雇用を実現したい場合は、農園型障害者雇用支援サービス「めぐるファーム」の活用もご検討ください。

めぐるファームは、屋外農園を活用した就労支援モデルで、企業が農園を活用して障害者雇用の場を提供できる仕組みです。雇用環境の整備や専門スタッフの支援により、定着率の高い就労機会を創出し、栽培作業を通じたスキルアップや社会参加の機会も提供しています。

また、設備や立地に配慮した快適な環境で働けるほか、低コストかつ柔軟な管理体制で企業の負担を軽減できる点も特徴です。

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