突発性難聴とはどのような症状?原因・受診の目安・生活での注意点を解説

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耳を押さえている画像

片耳が急に聞こえづらくなると、その瞬間に戸惑いが広がり、不安だけが募ってしまうことがあります。突発性難聴は原因の特定が難しいとされ、発症の仕方にも個人差があるため、判断がますます難しく感じられやすいかもしれません。ただ、早期に気づき対応できるほど回復の見込みが高まるという点は明らかとされており、知識として知っておくことが心の支えにもなりやすいです。

今回は、突発性難聴の背景となりうる原因、その後に重要となる受診のタイミング、そして治療中に避けたい行動についてやわらかく解説します。

突発性難聴とは

耳の画像

突発性難聴は、ある日突然片側の耳が聞こえにくくなる、原因不明の感音難聴です。特に40~60代の働き盛りに多くみられるとされ、発症の仕方や症状の強さには個人差があるようです。

聞こえにくさの程度はさまざまで、音がほぼ聞こえなくなる場合もあれば、低音だけ感じ取りにくくなるといった場合もあります。耳が詰まったような感覚や急な耳鳴りが同時に現れることもあり、日常生活に戸惑いを覚えることが少なくありません。

突発性難聴を引き起こす主な原因

耳の画像

突発性難聴は、はっきりとした原因が特定されていない病気とされています。そのため、不安を感じる方も少なくありません。ここでは、これまでに「関係しているのではないか」と考えられてきた代表的な説について紹介します。

ウイルス感染説

ウイルスが内耳に入り込み、炎症を起こすことで聴力が急に低下すると考えられています。

なかでも、ムンプスウイルス(おたふくかぜ)やヘルペスウイルスなどが、突発性難聴の原因として関与している可能性が指摘されています。

内耳の血流障害説

内耳への血流が悪くなることで、聴力に影響が出ると考える説もあります。

強いストレスや睡眠不足によって自律神経のバランスが乱れると、血管の働きが低下し、内耳への血流が不足しやすくなります。

その結果、音を感じ取る細胞が十分に働けなくなり、聴力低下につながる可能性があります。

自己免疫反応説

免疫の異常が自分自身の内耳を攻撃してしまうという説も指摘されています。

本来は身体を守る役割を持つ免疫が誤って内耳の有毛細胞(音を感じ取る細胞)を攻撃し、ダメージを与えてしまうことがあります。これによって、突発的な聴力低下を引き起こす可能性があると考えられているのです。

複合的要因が関係している

複数の要因が重なって発症するケースもあるとされています。

例えば、糖尿病などの基礎疾患があると内耳の働きが不安定になりやすく、発症リスクが高まる可能性があります。

このように、単一の原因で説明できない場合が多いため、「原因不明」と扱われているのが現状です。

突発性難聴は早期受診がカギ

突発性難聴は、発症から治療開始までの時間が予後を大きく左右する疾患です。最も理想的なのは、発症から48時間以内の受診とされています。遅くとも1週間以内には耳鼻咽喉科を受診することが強く推奨されています。

放置すると、難聴が固定してしまったり、耳鳴りが長く残ってしまったりすることがあります。そのため、できるだけ早く適切な治療を開始することが大切です。早期に対応することで、聴力が回復する可能性が高まります。

特に注意が必要なのは、めまいを伴う場合や、補聴器をつけても音が聞き取れないほど聴力が低下している場合です。このような症状は、内耳の障害がより深刻である可能性があるため、一刻も早い専門医への相談が必要です。

耳の聞こえに少しでも異変を感じたら、迷わず医療機関を受診しましょう。

突発性難聴の日常生活での注意点

耳を触っている画像

治療中の過ごし方は、その後の回復に影響しやすいとされています。ここでは、避けておきたい行為について、理由とともにお伝えします。

長時間のイヤホン使用

イヤホンの長時間使用は、治療中の耳にとって負担になるとされています。特に大きな音で聞き続けると、突発性難聴の症状が悪化しやすく、さらに聴力そのものの低下を引き起こす場合もあると考えられています。

耳は外部からの刺激を受けやすく、疲れが蓄積しやすい器官です。突発性難聴で弱っている状態では、ちょっとした音量でも負担が増してしまうことがあるため、しばらくはイヤホンの使用時間をできる限り減らすことが望ましいとされています。使用する際は、小さめの音量で短時間にとどめましょう。

また、密閉型のイヤホンは耳への圧迫感が強く、血流が悪くなる可能性もあるため、できるだけ開放型のものを選ぶか、使用頻度を抑える工夫が必要です。治療中は耳を休ませる時間を十分に確保し、音楽や動画視聴の際は、可能であればスピーカーを使うなど、耳への直接的な刺激を避けましょう。

アルコールやコーヒーの摂取

アルコールやコーヒーは利尿作用があるため、身体の水分が排出されやすく、結果として血流が悪くなることがあります。突発性難聴の治療では、内耳の血流を保つことが重要とされているため、こうした飲み物は控えるほうが安心だとされています。

また、治療で処方されるステロイド剤の効果を十分に発揮させるためにも、体内環境を安定させておくことが大切だと考えられています。

コーヒーやお酒を飲む習慣がある方は、回復を優先して量を少しずつ減らしましょう。無理のない範囲で調整することで、安心して治療を進められます。

代わりに常温の水や麦茶など、カフェインやアルコールを含まない飲み物を選ぶことで、適切な水分補給と血流維持につながります。治療期間中は特に意識して、身体に優しい飲み物を摂取するよう心がけましょう。

激しい運動

突発性難聴に伴うめまいがある場合、バランス感覚が低下しやすいとされています。そのため、激しい運動を行うと転倒やケガにつながるおそれがあり、治療中は避けたほうが安全だとされています。

とはいえ、まったく身体を動かさないのも不安に感じることがあるかもしれません。軽い運動であれば問題ない場合もありますが、判断が難しいため、動きたいと感じたときは医師に相談しましょう。状態に合った運動量をアドバイスしてもらえると、無理なく体調を整えていくことができます。

また、めまいの程度は人によって異なるため、自分の症状をよく観察することも大切です。散歩程度の軽い活動から始め、体調の変化に注意しながら少しずつ様子を見るのもひとつの方法です。

急に立ち上がったり、頭を素早く動かしたりする動作も、めまいを誘発する可能性があるため慎重に行いましょう。回復期には焦らず、医師の指導のもとで徐々に日常的な活動レベルに戻していくことが推奨されます。

まとめ

突発性難聴は40~60代に多くみられる原因不明の感音難聴で、ウイルス感染や血流障害、自己免疫反応などが関係している可能性があります。発症から48時間以内、遅くとも1週間以内の受診が回復のカギとなります。治療中は長時間のイヤホン使用や過度な飲酒・カフェイン摂取、激しい運動を避けることが大切です。耳に急な違和感を覚えたら、迷わずすぐに専門医を受診しましょう。

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