就労移行支援とは?支援内容やメリット、事業所の探し方も解説

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車椅子とパソコンの画像

就労移行支援とは、障害や難病のある方が一般企業への就職を目指す際に受けられる福祉サービスです。支援内容は、就職活動のサポートをはじめ、職業訓練や職場定着に向けたフォローなど多岐にわたります。今回は、就労移行支援の支援内容や利用するメリット、自分に合った事業所の探し方を解説します。

就労移行支援とは?

就労支援の画像

就労移行支援は、障害者総合支援法(正式法令名:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づいて提供される障害福祉サービスのひとつです。

障害や難病のある方が一般企業への就職を目指す際に、必要なサポートや訓練を受けながら、働く準備を進められます。

サービスを受けられる場所が「就労移行支援事業所」

就労移行支援のサービスは、「就労移行支援事業所」という専門施設で受けられます。就労移行支援事業所は、学校のように定期的に通いながら就職に向けたサポートを受けられる施設です。

職業訓練だけでなく、生活リズムの安定や集中力の向上、適性や課題の把握といった支援も行われています。

就労移行支援の支援内容

車椅子の人と話している画像

一般的に、就労移行支援では以下の4つのステップで支援が行われます。

職業相談・個別支援計画

まずは就労移行支援事業所のスタッフと面談し、自分の特性や体調、得意なことや希望の進路などを伝えます。

「働けるかどうか不安」といった相談から、「早く就職したい」といった要望まで、さまざまな悩みに応じてもらえるのが特徴です。

また、面談でのやり取りをもとに、個別の支援計画も作成してもらえます。

職業訓練

就労移行支援事業所では、利用者の希望や特性に合わせて、さまざまな職業訓練プログラムが用意されています。ビジネスマナーやPCスキルはもちろん、プログラミングやデザインソフトなど、実践的な内容を学べるのが特徴です。

また、実際の職場を見学したり、短期間の実習に参加できたりするプログラムもあり、職場環境や仕事の流れも体験できます。

そのほか、安定して就労移行支援事業所に通えるよう、体調管理のサポートも受けられます。生活リズムを整え、毎日通う習慣を身に付けておくことで、就職後にも役立ちます。

職場探し・就職活動のサポート

職場探しや就職活動のサポートでは、自己分析、履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接のほか、職場実習や企業インターンなど実際の職場を体験する機会も提供されています。

また、就労移行支援事業所はハローワークや障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターとも連携しており、自分に合った職場を探すためのサポートも受けられます。

なお、就労移行支援事業所では求人紹介を行わないため、具体的な求人紹介はハローワークで受けることになります。

就職後の定着サポート

就職後も安心して働き続けられるよう、就労移行支援事業所のスタッフが6か月間サポートしてくれます。例えば、生活リズムの調整や給与の金銭管理、仕事内容や人間関係、勤務時間の調整などの相談が可能です。

さらに、6か月のサポート期間が終了した後も、「就労定着支援」という福祉サービスを利用すれば、最大3年間、就労先での仕事や働き方、キャリアアップなどについて継続的な支援を受けられます。

これまで利用していた就労移行支援事業所がそのまま就労定着支援を行うケースも多いため、必要に応じて問い合わせてみましょう。

就労移行支援の利用対象者

車椅子の人と話をしている画像

就労移行支援は、次の条件を満たす方が利用できます。

  • 原則18歳以上65歳未満の方(ただし、65歳に達する前日までに5年間継続して障害福祉サービスの支給決定を受けていた場合は、65歳以降も継続して利用可能)
  • 身体障害、知的障害、精神障害、難病がある方
  • 一般企業などで働くことを希望し、就労が可能と見込まれる方

なお、就労移行支援の利用可否は障害者手帳の有無だけで決まるわけではありません。「どの程度支援が必要か」といった本人の状況によって、利用できるかどうかが判断されます。

就労移行支援を利用するメリット

就労移行支援を活用することで、以下のようにさまざまなメリットが得られます。

自分に合った働き方が見つかる

就労移行支援では、専門スタッフとの面談を通じて、自分の障害の特性や強み、苦手な点を客観的に整理できます。その結果、自分に合った仕事や、働く上でどんな配慮が必要なのか具体的に見えてきます。

また、さまざまな職業訓練や企業実習に参加することで、新たな興味や向いている仕事が見つかりやすくなり、職業の選択肢も広がります。

就職に必要なスキルや知識を習得できる

就労移行支援事業所では、ビジネスマナーやPCの基本操作など、社会人として必要なスキルを身に付けられるのはもちろん、事業所によってはプログラミングやデザインなど専門的な訓練を受けられる場合もあります。

また、職場でのコミュニケーション力を高めるために、報告・連絡・相談の練習や、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるトレーニングも行われています。

生活リズムを整えられる

毎日事業所に通うことで、自然と朝起きて日中に活動し、夜は決まった時間に眠るという規則正しい生活リズムが身に付きます。

規則正しい生活が定着すると、心身の調子も整いやすくなります。

企業での体験を積める

企業見学や体験実習に参加することで、実際の職場環境や仕事内容を自分の目で確かめられます。

普段は知ることのできない現場の雰囲気や仕事の流れを間近で体験することで、「自分がこの職場でどのように働くことになるか」を具体的にイメージできるようになります。

就職後も手厚いサポートが受けられる

就労移行支援では、就職活動だけでなく就職後の定着支援も受けられます。新しい職場での不安や悩みが生じたときには、事業所のスタッフが間に入って企業と調整を行ったり、利用者と一緒に解決策を考えたりしてくれます。

就職への意欲を維持できる

就労移行支援事業所では、職場で必要なチームワークを身に付けるために、グループワークなどが取り入れられています。

同じ目標をもつ仲間と一緒に活動することで、お互いに励まし合いながら前向きな気持ちを維持しやすくなります。

費用負担が少ない

就労移行支援は障害者総合支援法に基づくサービスのため、利用料金には世帯収入に応じた上限額が設定されています。

ほとんどの方が無料または低料金でサービスを利用できるため、経済的負担が少ない点もメリットです。

就労移行支援事業所の探し方

就労移行支援事業所の探し方には、以下の3つの方法があります。

インターネットで検索

行政や民間が運営する検索サイトを使えば、地域や障害特性、得意分野などの条件で就労移行支援事業所を絞り込めます。

Googleマップで「就労移行支援事業所 ○○市(地域名)」と検索すれば、自宅や職場から通いやすい事業所を見つけられます。気になる事業所が見つかったら、公式サイトでカリキュラム内容や就職実績などを確認してみましょう。

自治体の障害福祉窓口に相談する

市区町村の福祉課などには、就労移行支援に関する専門の相談窓口が設けられています。

窓口では、自分に合った就労移行支援事業所の紹介や、サービスを利用するために必要な受給者証の発行手続きなどのサポートが受けられます。

専門機関に相談する

就労移行支援について具体的なアドバイスや情報を得たい場合は、専門機関への相談がおすすめです。

例えば、相談支援事業所や障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センター、ハローワークなどでは、利用者の希望や状況に合わせて、適切な事業所を紹介してもらえます。

まとめ

就労移行支援では、職業相談・個別支援計画の作成から職業訓練、就職活動まで、さまざまなサポートが受けられます。新しい職場に定着できるよう、就職後も手厚いサポートが受けられる点も大きな魅力です。

また、自分の特性に合った働き方がしたい方は、農園で働ける「めぐるファーム」もおすすめです。

めぐるファームでは、月1回の面談によるメンタルケアや就労状況の確認が行われており、障害特性に応じた柔軟な就業サポート体制が整っています。

マニュアル化された作業手順で重労働や難しい作業がなく、未経験の方でも始めやすいのが特徴です。施設内には障害者支援に精通したスタッフが常駐し、仕事面はもちろん、日常生活のサポートまで幅広く対応しています。

無料の見学会も実施しているため、興味がある方はぜひご検討ください。
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